ポンドの強烈な値動き
【本日のトレードポイント】
-ポンドの強烈な値動き-
東京市場では、日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定し景気の現状判断を上方修正しました。しかし、取り立ててめぼしい内容ではなかったことから、相場への影響は限定的でした。欧州市場ではBOE政策金利では金融政策の変更は行われなかったが、マイナス金利の実施方法を巡り話し合いが行われたとの報道をきっかけにポンド安となりポンド円は134.60円付近まで急落しました。ただ、その後のNY市場でフォンデアライエン欧州委員長が「英国との合意はまだ可能と確信している」と述べると、ポンド円が急騰。一瞬で135.98円まで反発しポンド円は「いってこい」の展開となり取引を終えました。
-今後のドルの展望は-
本日は英小売売上高、景気先行指数 ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)の発表が予定されています。重要指標であるものの、現在のマーケットは米国の金融緩和の長期化観測と英国とEUのEU離脱に関わる通商交渉がメインテーマになっています。先日のFOMCで2023年まで金利据え置きと予想され、緩やかに経済回復するとの見方を示しました。会見でパウエルFRB議長は記者からいつまでに回復するのかといった質問を受けていましたが、具体的な期限は明言しませんでした。今後は雇用情勢やインフレ率が注目されるほか、追加の景気対策が早期に成立するかが注目ポイントなりそうです。昨日、トランプ大統領は1.5兆ドル規模の追加経済対策案に支持を表明しており、与野党協議で調整できればドル買いを促す展開が考えられそうです。
-英EUの離脱通商交渉の行方-
英国とEUのEU離脱に関わる通商交渉は依然として、先行き不透明と言わざる得ない状況です。英議会に提出された「国内市場法案」は来週21日から22日に下院で採決される予定です。仮に通過した場合、上院議会での採決が待っており通過するか現時点では不明です。短期的に見れば、議会の動向をうかがいながら、EU側のヘッドラインに注意して取引するのが良さそうです。ポンド円の目線としては、昨日1円幅の「いってこい」になったほか、EU側の反発が想定されるためダウンサイドを意識しながら、上昇局面では売りを試したいです。ただ、昨日の値動きをみると、明らかなスピード違反とも言える値動きだっただけにポジションサイズを抑えながら取引に臨みたいです。