米中の対立、激化の予感
【本日のトレードポイント】
-中国は頼み綱?-
トランプ米大統領就任以来続く中国との対立ですが、ここにきて激しさが増しています。中国企業(ByteDance)が運営するSNS(ソーシャルネットワークサービス)のTikTokの利用を米国内で禁止する措置をとる予定だと述べ、火蓋となっています。TikTokはZ世代やミレニアム世代に絶大な人気を誇っており、オープンソースではないものの米国内に5000万人近いユーザーがいるとされています。GAFA企業との繋がりが深く、米国人従業員も多く働いています。運営会社のByteDanceは圧倒的な成長率でGAFAにリーチをかける存在になり得るともいわれています。
これが中国側への致命的なダメージになる事は一切ありませんが、中国へのメッセージや国内へのパフォーマンスとしての効果は大きいでしょう。中国側がどのような反撃を行ってくるのかは明確に見えていませんが、状況は注視していきたいです。米大統領選まで残り4カ月を切った今、コロナや人種問題でトランプ大統領はやや苦しい立ち位置にいます。対中政策は国内の支持を取り付けるある意味"頼み綱"なのかもしれません。
-強"すぎる"経済にご注意-
先週から発表が続く米経済指標は非常に力強い結果が並んでいます。コロナショックを払しょくと言わずともある程度の雇用を回復し、最悪期は脱したとのコメントも多く目にします。しかし、米国をはじめ各国では新型コロナウイルス感染者数が再び増加しています。マーケットはやや楽観的な姿勢をとっており、政府・中銀の経済優先の姿勢を信じています。しかし、大規模な感染第2波が訪れた場合には、経済は再び大きなダメージを受けるでしょう。その際には経済指標も堅調な数字を維持することは難しくなるに違いありません。