FOMCの夜を超えて
【本日のトレードポイント】
-昨日のFOMCを振り返る-
昨日のFOMCはおおむね事前予想通りの結果となり、さしたるサプライズはありませんでした。しかし、一部で期待されていたYCC(イールドカーブコントロール)や具体的なフォワードガイダンスへの言及は特にありませんでした。特にYCCに関しては副作用等含めて不確実性の高い金融政策手段となるため時期尚早と考えられていると思われているようです。
3月に発表が見送られた金利見通し(ドット・プロット)も今回発表されました。2022年まで金利を現在の水準で据え置くとの見通しが大半で、2人の理事が22年に利上げを見込んでいる程度でした。ゼロ金利政策ともいえる現在の状況が3年程続く事を示唆しています。
これらの発表を受けてドル買い・円買いが進行。ドル円ではやや横ばいの値動きとなりましたが、クロス円全般では円高進行となりました。
-先行き不透明感は未だ拭えず-
FOMCにおいて政策金利をはじめとして様々な見方が共有されましたが、実体経済の不透明感は未だ拭えません。その反面で、足元の株高は実体経済の復活・再開をエビデンスとしています。FOMCにおいて資産購入などを通じて市中への資金供給を図っています。しかし民間セクターは「資金供給があれば立ち直れる」という状況でもないため効果は懐疑的です。効果が限定的であるという認識が市場参加者の認識となれば現在のリスク選好度は大幅に減少し、株式やドル・円といった資産の売却が進むことが考えられます。そうなればドル安・円安というシナリオも視野に入ってくるでしょう。