雇用統計を整理する
【本日のトレードポイント】
-戦後最悪値を記録した前回-
4月の雇用統計は非農業部門雇用者数は-2053.7万人、失業率は14.7%と大恐慌以来、失業率に至っては統計開始以来最悪の結果となりました。市場予測値に比べてやや減少幅は小さかったものの、数字のインパクトが市場に与える影響は非常に大きかったです。
対する今回の市場コンセンサスを見てみましょう。
・非農業部門雇用者数:-800万人
・平均時給:+8.5%
・失業率:19.5%
非農業部門雇用者数は前回発表値に比べ減少幅を大幅に縮小すると見られています。経済再開に向けた動きが徐々に活発化する中で再雇用が進んだことが要因として考えられます。
平均時給も先月同様に低所得者の解雇が進んだ結果から労働者全体の平均所得が相対的に上昇する現象がみられています。従って平均時給も上昇するとの見方が大勢を占めています。
一方、失業率は前月に比べて悪化すると見られています。雇用の減少が引き続いているのに加えて4月雇用統計でのミスカウントが指摘されていることもその要因と考えられます。
-為替相場はインパクトよりサプライズ次第-
雇用統計発表を受けたマーケットの動きは、先月同様に数字そのもののインパクトよりも市場コンセンサスに対するサプライズで決まりそうです。今回は従前以上に各社予想値にバラつきがあるため、各社予想値へアクセスがしやすい大口(機関投資家)のサプライズ閾値が異なる恐れがあります。従って、発表直後はドル円やユーロドルといった取引高の多い通貨ペアで大きな動きがみられる恐れがあります。