新型コロナウイルス、マーケットでは潜伏期間か
【本日のトレードポイント】
中国武漢で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)には現時点で9ヵ国約1000人が感染したとされています。死亡者も30名近くにのぼっており、感染者数は今後更に増加することが考えられています。この新型コロナウイルス(以下、新型ウイルス)がマーケットに与える影響を見ていきましょう。
新型ウイルスのヘッドラインは先週からマーケットで強く意識されるようになっており、感染拡大を想起させるヘッドラインには円やフランといった安全通貨の買い、つまりリスクオフで反応しています。ただ、金融システムや通貨の流動性に関わる材料ではないため影響は一時的です。ただ、感染拡大に伴い経済活動が妨げられる事があれば一定の影響は覚悟する必要があるでしょう。
新型ウイルスと同様のコロナウイルスに2003年に中国で発生した流行したSARSがあります。SARSが流行した際に世界経済は400億ドルの損失を受けたとされていますが、実際に発生から収束までの期間は日米株高、円高ドル安で推移し、同時期に様々な材料を消化するためウイルスの影響は限定的でした。今回も同様に局所的なリスクオフはあるものの、相場に長期の影響を与える可能性は低いと考えられます。中長期目線でトレードされる方は引き続き米大統領選挙など他テーマに重点を置く必要がありそうです。