宴となるか、雇用統計
【本日のトレードポイント】
本日は米雇用統計の発表が予定されています。コンセンサスは非農業部門雇用者数が+18.8万人(前回12.8万人)、失業率が3.6%(前回3.6%)、平均時給が+0.3%(+0.2%)となっています。失業率と平均時給がほぼ横ばいなのに対して、非農業部門雇用者数は前回を大きく上回ることが期待されています。今回の雇用統計で注目すべきポイントは次の2点でしょう。
・従前通り雇用を通じて消費の強さを維持できるか
・今回の結果が米政策金利ポリシーに大きな影響を与えるか
雇用の面を見てみると、前月前々月共に予想されていたよりも比較的強い結果でした。完全雇用ともいえる水準で推移し続けており、雇用の強さが消費を牽引しています。一方で、新規雇用者数の伸び率がやや縮小している点や先行指標の中でも最も相関性の高いADP雇用統計が市場予想を大きく下回るようになってきた点などが懸念点として挙げられます。製造業が風前の灯火である現状、雇用の悪化が観測されれば消費の減少を想起させ、ネガティブな反応を示すことが予想されます。
今回の結果が政策金利のポリシーに影響を与えるものになるかどうかも注視が必要です。マーケットでは利下げ観測は大きく後退しており、来週のFOMCのみならず今後2年間の追加利下げはないという見方も支持を得ています。今回の結果が堅調であればそれらの観測を正当化する内容となるでしょう。しかし、結果が軟調なものであれば、政策金利の見通しを立てることは困難となりボラティリティは必然的に大きくなることが考えられます。
一方で、市場の関心は米中通商問題に向いており、今回の結果を受けてどの程度反応を示すかは未知数ともいえるでしょう。