FXレポート

利下げは本当に確実視?

【本日のトレードポイント】
 昨日のドル円は一昨日に引き続き本日のFOMCを前に冴えない値動きが続きました。一部報道筋から「米中首脳会談では第一弾合意の署名には至らない可能性がある」との報道が伝わると、一時108.75円まで陰線を伸ばしました。しかしその後すぐ108.90円台まで戻し反応は一時的なものとなりました。
 
 イギリスでは早期解散総選挙の法案が可決され、12月12日に解散総選挙が行われることになりました。これにより年内のEU離脱は実質不可能となり、長期戦となります。ポンドの反応は予め織り込まれていた事からほぼ反応なく無風となりました。


 本日は米国で多くの指標、イベントが予定されています。
 ・ADP雇用統計
 ・7-9月期GDP/GDPデフレーター
 ・FOMC政策金利・声明発表
 ・パウエルFRB議長定例記者会見
 ・Apple,Facebookなど米大企業の決算発表
特に注目すべきは当然、FOMC政策金利・声明発表とそれに伴うパウエルFRB議長の会見です。
 
 まずFOMC政策金利発表ですが、FRBは政策金利であるFF金利の誘導目標について市場のコンセンサスは0.25%引き下げられて、1.50-1.75%となると見込まれています。金利先物市場の値動きから政策金利を算出するFed Watchでも利下げ確率は97.8%とほぼ確実視されています。ただ、今回の利下げ予想に関して市場は2つの点をネックとしています。

・前回会合ではボードメンバー内で意見が割れている点
・前回会合以降に発表された米指標に追加緩和を必要とするレベルの弱い指標がなかった点

もちろんこれらの理由から利下げがなされない可能性もありますが、その場合は大きなサプライズとなります。それは市場との対話の失敗を意味するため、パウエル議長にとっては避けたいところでしょう。また、これらの点を踏まえたうえで利下げを行うのであればパウエル議長には丁寧な説明が求められます。
 
 パウエル議長会見では、前述の通り追加緩和の必要性を疑問視する声に対しどのような説明を行うのか焦点となります。前回同様に「予防的利下げ」である旨の強調利下げサイクルに踏み切っていないことなどを強調すると思われます。利下げサイクルに踏み切ったと市場が判断すれば景気先行き不安からドル・米株安へと繋がるため慎重にならざる得ません。

 トレード時の注意点としては、ドル円は足下10営業日のレンジ幅が80pipsと非常に狭くなっています。方向感が強く出るような相場となった場合には、レンジを大きなパワーで抜ける可能性があります。指標やイベント結果には目を光らせて自己ポジションの損切/利確ラインを明確にしておきましょう。

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