注目のジャクソンホール会議の行方は
【本日のトレードポイント】
昨日のドル円は、韓国が日本との軍事情報協定(GSOMIA)の破棄を決定したことで、地政学リスクの高まりから円買いが強まり一時106.25円台まで下落するも、米10年債利回りが1.62%台に上昇にすると106.60円付近まで強含みとなりました。その後、米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことで106.32円まで下げたものの、続けて発表された7月米景気先行指数が予想を上回ったことを受けて106.50円台まで買い戻されました。
本日は待ちに待ったジャクソンホール会議です。日本時間23日午後11時から予定されているパウエルFRB議長の講演に要注目です。7月の利下げの際、パウエルFRB議長は「今回の利下げは長期的な利下げサイクルの開始を意味するものではない」と今後の段階的な利下げに否定的な発言をしました。あしもとの米経済指標を見れば、低い失業率に加え個人消費も好調で大幅な利下げに踏み切る理由が見当たりません。もっとも、直近では米国債の逆イールド現象や世界経済成長の鈍化懸念など、リセッションへの懸念が7月の利下げ以降増加してきました。昨日の米国のPMIの数値も予想を下回っており、利下げサイクルの見直しにつながる可能性はありそうです。23日現在のフェドウォッチを見ると、9月FOMCでの利下げ確率は93.5%と高水準を推移するなか、ハト派に寄れば米長期金利の低下からドル円は円高に動くとみてます。一方で、トランプ大統領の圧力に負けない姿勢でFRBの独立性を示し利下げに対して慎重な見方をした場合は、長期金利の上昇からドル高が進むと考えられます。ただ、市場は利下げ期待の剥らくから株価が下落し、リスク回避的な円買いも同時に進むとみられ、ドル円に関しては方向感を見失うかもしれません。そのため、ハト派タカ派のどちらに振れても円高が進むとみられ、クロス円全般で下値リスクを警戒したい局面といえそうです。