ジャクソンホール会議に向けて
【本日のトレードポイント】
昨日のドル円は、米10年債利回りの上昇や安く始まった日経平均株価の下げ幅縮小を受けて106.55円まで上昇した後、106円台半ばで堅調に推移。ロンドン時間には106.59円付近の本日高値を更新したものの、その後は上値が重く106.40円台でもみ合いとなりました。しかしNY時間にトランプ大統領が「米国は中国とおそらく合意するだろう」と発言すると一時106.58円台まで上昇しました。
本日は欧州各国の製造業PMI速報値と米新規失業保険申請件数、米製造業PMI速報値、米景気先行指数の発表が予定されています。PMIは景気転換の先行指標であり、なかでも速報値は特に市場への影響が大きいといわれています。先月の発表では大幅な低迷を受けてリセッション懸念が一段と高まったことから欧州通貨安を引き起こしており、結果に注目が集まります。また、米経済指標は市場の利下げ期待が高まるなか、予想を下回ることになれば催促相場の様相が強まりそうです。
昨日、トランプ大統領は「米国はリセッションからほど遠い」と述べて足元の米国経済は堅調という認識を示しました。ただ、利下げが行われなければ輸出業が厳しいとの見方を示したほか、インフレも起きていないため、FRBに対し1%の利下げを要求しています。23日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演に向けて、プレッシャーを掛け続けており9月利下げの扉を開くかますます注目が集まります。直近のドル円は利下げ動向が不透明だったことから、動き難い展開が継続していますが、23日を控えて思惑から下値を試した場合は8月安値となる105.05円がターゲットになり、上値は8月2日高値107.56円になりそうです。