ジャクソンホール2025 パウエル議長講演と市場反応
-前営業日サマリー-
ドル円は、148.28円でオープン。東京市場では、FedWatchの9月FOMCでの利下げ確率が90%台から70%台に低下、ドル買い・円売り優勢で一時148.80円付近まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、ジャクソンホール講演を控えて様子見の展開となり、小幅な値動きに留まりました。そのNY市場では、ジャクソンホール会議にて、パウエルFRB議長から9月利下げの可能性に含みを持たせる発言が伝わったことでドル売りが急加速、一時146円中盤まで下落した後、146.91円で取引を終えました。
-ジャクソンホール2025 パウエル議長講演と市場反応-
本日のイベントは、NZ四半期小売売上高・米新築住宅販売件数が予定されています。
22日に開催されたジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長はインフレと雇用を巡るリスクバランスに言及しました。足元のインフレ率が依然2%目標を上回る中、関税が物価を押し上げるリスクを警戒しつつも、基本シナリオでは影響が次第に薄れるとし長期的な安定を見込む姿勢を示しました。また、景気減速や雇用悪化への備えとして「早ければ9月にも利下げ開始の可能性」を示唆した一方、「データ次第で慎重に進める」と強調し、早計な金融緩和は否定しました。雇用市場については「供給と需要がともに減速した奇妙な均衡状態」と分析し、均衡が崩れた場合の急速な失業率悪化に警戒感を示しました。
金融市場は大きくドル安で反応し、ドル円は148円台後半から一時146円台中盤へ急落、終値でも146円台後半と約2円円高で引けました。また、ユーロドルは1.16台から1.17台半ばへと上昇、米株は利下げ期待から急騰し、S&P500は+1.6%、ダウ平均は一時900ドル超高と最高値を更新したほか、日経平均先物(夜間)は円高圧力を受けながらも米株高を背景に強気推移となりました。
今回の講演は市場に「9月利下げ開始への布石」と受け止められ、ドル円の方向感は今後の米経済指標と金利見通し次第で一段と変動が強まる可能性があります。週明けから東京、ロンドンの市場動向を見極めていきたいです。