FXレポート

週末の本邦CPIに注目「賃金と物価の好循環」はなお遠いか

-前営業日サマリー-
 ドル円は144.79円でオープン。東京市場では、日経平均株価が上昇したのに加えて、親米派の勝利で警戒感のあった台湾加権指数がしっかりした動きとなったことでリスクオンの円売りが優勢となり、ドル円は145円前半まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、市場での米早期利下げ観測がやや後退したことが影響しているのかドル買いが優勢となりました。NY市場ではキング牧師記念日で米債券市場が休場となる中で、方向感の乏しい相場展開となり、145.70円台を推移。ドル円は145.76円で取引を終えました。

-週末の本邦CPIに注目「賃金と物価の好循環」はなお遠いか-
 本日のイベントは、英失業率、独ZEW景況感調査、加消費者物価指数、米NY連銀製造経景気指数、英ベイリーBOE総裁発言、米ウォラーFRB理事発言が予定されています。
 今週の注目イベントは日本で公表される全国消費者物価指数となりそうです。予想は前年同月比で2.6%(前回:2.8%)、コア指数は2.3%(2.5%)となっており、前回値からは下振れする公算となっています。先週10日には毎月勤労統計調査が発表され、実質賃金が前年同月比で3.0%減少となりました。今回の本邦CPIが下振れとなれば日銀が目指す「賃金と物価の好循環」への道のりは遠くなり、年前半での日銀によるマイナス金利政策解除観測が後退するとともに、円は売りを強めていく可能性が高いといえます。市場では日銀のマイナス金利解除への期待がやや先行し過ぎている面もあるため、週末の本邦CPIの結果が期待を後退させる内容となればドル円はアップサイドへの動きが加速するかもしれません。今週は他の材料が乏しいものの、日本発のヘッドラインから動意づくシナリオも考慮にいれたうえ取引に臨んでいきたいです。

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