米雇用統計に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は143.21円でオープン。東京市場では、序盤に142.84円まで弱含むも、昨晩の米FOMC議事要旨後のポジション調整が一服すると143.89円まで上昇しましたが、米長期金利低下に連れて一時143.18円付近まで下押ししました。ロンドン市場では、序盤の下げが一服すると、米長期金利上昇などを手掛かりに反発、144円を上抜くと144.30円付近まで上値を広げました。NY市場では、堅調な米雇用指数の結果を受けてドル買いが進行、日通し高値となる144.85円まで上昇しましが、ロンドンフィキシング以降は、明日に米雇用統計を控えて小幅な値動きとなり144.59円で取引を終えました。
-米雇用統計に注目-
本日のイベントは、独小売売上高、英建設業購買担当者景気指数、欧消費者物価指数、加雇用統計、米雇用統計、米ISM非製造業景況指数が予定されています。
今週発表された米雇用関連指標では、3日のJOLTS求人件数で879万件(予想885万件)と弱い結果となりましたが、昨日発表されたADP雇用統計(前月比)は16.4万人(予想11.5万人)、新規失業保険申請件数は20.2万人(予想21.6万人)と、共に米労働市場の底堅さを示す結果となりました。
本日発表が予定されている米雇用統計ではNFP(非農業部門雇用者数)が+17.0万人(前回+19.9万人)、失業率が3.8%(前回3.7%)、平均時給(前年同月比)が+3.9%(前回+4.0%)と予想されています。NFPの前回結果は、全米自動車労働組合のストライキ終結により3万人の上積みがあったと考えられるため、今回結果が予想通りであれば前回からの大幅減とはならないものの、過去の水準から鑑みると弱い結果とみることができます。そのため、労働市場の圧迫緩和の示唆が3月利下げの根拠を強める結果となり、ドル売りの動意となることが考えられます。一方、予想を上振れて労働市場の底堅さを示唆した場合は、昨日の雇用関連指標が共に堅調だったこともあり、ドル買いの動意となることが考えられます。そして、今回結果が予想を下振れた場合には、市場の利下げの思惑と相まってドル売り流れを形成するという可能性も考慮しつつ、週末の取引に臨みたいです。