今週はCPIが相場を左右するか
-前営業日サマリー-
ドル円は142.54円でオープン。東京市場では、仲値に絡んだ本邦輸入業者からのドル買い円売りが相場の支えとなり142.88円まで上昇。ただ午後には米長期金利の低下とともに上値が重たくなり142円前半までの下押しとなりました。ロンドン市場では、米長期金利の上昇や欧州株・米株先物の小反発が相場を下支えし142円後半まで上昇。しかし米雇用統計を見極めたいとの動きから一方向への値動きは続きませんでした。NY市場では、米雇用統計の発表直後には一時乱高下する場面はみられるも、非農業部門雇用者数の予想下振れなどを受けてドル安が進み、ドル円は142円台割れから141.76円で取引を終えました。
-今週はCPIが相場を左右するか-
本日のイベントは、スイス失業率、独鉱工業生産が予定されていますが、その他目立った経済イベントは見当たりません。カナダ、オーストラリアは休場となります。
先週末に公表された米雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数:18.7万人(予想:20.0万人)、失業率:3.5%(予想:3.6%)、平均時給[前年同月比]:4.4%(予想:4.2%)と強弱の入り混じる内容となりました。これに対して相場はドル安で反応。ドル円は発表前の142.50円台から一時141.50円台と約1円の下押しとなりました。平均時給が予想を上振れしたことで賃金高止まりの懸念は依然として残るものの、非農業部門雇用者数が弱い結果だったことから9月に利上げを必要とするほどの内容ではないと市場では判断されたようです。
今週は10日(木)に7月の米消費者物価指数(CPI)が控えています。予想では3.2%(前回:3.0%)、一時に比べると落ち着きは見せていますが前回値を上回る想定となっています。来週の相場は同指標の結果が左右する展開となりそうです。また、11日(金)には米7月卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、米8月ミシガン大学消費者態度指数も公表されます。週末に続く、米指標の結果次第ではトレンドに変化が起こる可能性もあるとみて内容を丁寧に確認していきたいです。