日本政府・日銀の為替介入は間近か
-前営業日サマリー-
ドル円は144.75円でオープン。東京市場では、月末・ゴトー日によるドル買いが観測され一時的に節目の145.00円を上抜けるも、鈴木財務相が「急速で一方的な動きがみられる。高い緊張感をもって為替市場を注視する。」と発言しており、政府・日銀による円買い介入への警戒感から持ち高調整のドル売りが入りました。ロンドン市場では、日米金融政策の違いが再び意識されると、時間外米長期金利の上昇も相まって一時144.90円まで反発するも、その後は手掛かり材料難から徐々にドル売り、FRBが重視する米PCEコア・デフレーターが一部予想を下回ると下落幅は拡大し一時144.28円まで下落しました。NY市場では、月末・週末によるポジション調整目的のドル売りが入り144.34円で取引を終えました。
-日本政府・日銀の為替介入は間近か-
本日のイベントは、日第2四半期日銀短観、豪住宅建設許可件数、中製造業PMI、米ISM製造業景況指数が予定されており、カナダが休場となります。
先週は、ポルトガルで開かれたECBフォーラムにて、パウエル米FRB議長が前週に続き「年内の2回追加利上げ」を肯定したほか、ラガルド欧ECB総裁が7月理事会での追加利上げに言及した一方、植田日銀総裁は金融緩和継続を示唆したことで、日本と欧米間の金融政策の方向性の違いが改めて示されました。その結果、ドル円は昨年日銀が為替介入したライン145円を、ユーロ円に至ってはリーマンショック以来となる158円をつけるなど円の独歩安となりました。
今週は、日本政府・日銀による為替介入への警戒感が一段と高まることが予想されます。鈴木財務相をはじめ当局者らによる口先介入が強まっているほか、ドル円は介入警戒水準と目される「ボリンジャーバンド+2σ」付近を推移しており、いつでもその上限を超えられる状況です。さらに土曜日には為替介入について、イエレン米財務長官が日本政府と情報共有を行っていると伝わり、実弾介入の条件が整いつつあります。昨年の為替介入はいずれも、東京勢、欧州勢が本格的に動き始める前後に行われており、東京市場・ロンドン市場の前後には十分注意して取引に臨みたいです。