本日は欧ECB政策金利に注目、FRBは利上げ停止の可能性
-前営業日サマリー-
ドル円は136.54円でオープン。東京市場では本邦休場の中、米国地銀の経営不安などに起因したリスク回避の動きから円が全面高の展開、ドル円は136円割れまで押し込まれたほかクロス円も軒並み下押しとなりました。ロンドン市場でも引き続き円高が進行、米朝金利の低下やFOMC控えての持ち高調整からドル売りも入り、ドル円は135円ミドルまで下値を広げました。NY市場では、米ADP雇用統計が予想を上振れたことでドル高に振れるも流れは変わらず、もみ合いを続けて米FOMC及びパウエルFRB議長発言を迎えました。FOMCでは事前予想通り0.25%の利上げを決定、声明から追加利上げを示唆する文言の削除が確認されるとドル売りで反応も一時的、ドル円は早々に切り返しました。その後は、パウエル議長から「米銀の状況は3月初旬から大幅に改善」などの発言が材料視され浮上するも、「利上げ停止時期に近づいている感触」との発言が伝わる中で再度失速、小幅に上下しながら134.98円で取引を終えました。
-本日は欧ECB政策金利に注目、FRBは利上げ停止の可能性-
本日のイベントは、豪貿易収支、中財新製造業PMI、欧ECB政策金利・ラガルドECB総裁会見、加貿易収支・マックレムBOC総裁発言、米貿易収支・新規失業保険申請件数、引け後に米アップル(AAPL)決算発表が予定されており、引き続き本邦休場となります。
本日は、欧ECB政策金利発表が予定されています。前回3月の理事会では、大方の予想通り0.50%利上げが決定され、今回は0.25%利上げ(3.50%→3.75%)が市場コンセンサスとなっています。ただ、ここまで一部のECBメンバーが0.50%利上げの可能性に言及しているほか、関係筋の話として「0.50%利上げや据え置き主張まであり不透明」といった一部報道も伝わっており、予想超えの大幅利上げでユーロ買い加速のシナリオも準備しておきたいです。
また、声明やその後のラガルドECB総裁の会見から今後の利上げ見通しのヒントも探っていきたいですが、ここは従前通り「データ次第、次会合以降は未決定」といったスタンスを崩さないと考えられます。しかしながら、金利先物から市場の織り込みを確認すると、政策金利は7~9月にかけて4.25%水準、今会合を含め3回の利上げが現時点では見込まれています。そのため、金融政策差に着目すると対円のほか、FRBの利上げ打ち止め可能性も残る中では対ドルにおいても、目先はユーロ高優勢の展開は想定されます。足元では市場のリスク回避の動きも活発で難しい局面ながら、本日の指標内容を見極めつつトレード戦略を練っていきたいです。