FXレポート

JOLTS求人 労働市場の逼迫は続くのか

-前営業日サマリー-
 ドル円は133.20円でオープン。東京市場では週末にOPECプラスが協調減産を発表したことを受け、大きく上窓を付ける形で133円中盤までの急伸、その後は132.80円まで下押しする場面はみられるも買い戻しも旺盛となり133.75円まで再び上値を広げました。ただ、原油急騰受けたドル高は続かずにロンドン勢の本格参入とともに上昇していた米長期金利は低下に転じて再度ドル売りが進行、132円後半まで押し戻される展開となりました。NY市場では米ISM製造業景気指数の結果が想定を下振れたことが伝わるとドル売りが加速し、前週末の安値132.59円を下に抜けながら132.39円で取引を終えました。

-JOLTS求人 労働市場の逼迫は続くのか-
 本日のイベントは、豪RBA政策金利、欧卸売物価指数(PPI)、米製造業受注件数、米JOLTS求人、米クックFRB理事発言、米ボストン連銀総裁発言が予定されています。
 シリコンバレー銀行の経営破綻から始まった欧米の金融不安は一旦の落ち着きを見せてきました。市場の心理状況を表したVIX指数も不安心理の分岐点とされる20を下回っており、しばらく続いていたドル円のダウントレンドも先月24日を機に上向きに転じています。24日安値の130.05円付近から見ると一時133円中盤まで上昇しており、約3円程度の大きな反発となりました。FRB高官による相次いだタカ派発言によって次回以降の政策金利見通しが高まったこともドル高を進める要因になったといえます。ただ、FRBが明確なガイダンスを示さずに「金融政策は経済指標次第」との見方を示していることから指標結果の強弱によって政策金利見通しについてはこのところ日々変化を続けており、次回のFOMCで利上げを停止する可能性についても今後の景況感次第では考慮すべきかもしれません。
 本日は米労働市場の動向を示す2月のJOLTS求人件数が公表されます。前回値は1082.4万件、今回予想は1050.0万件となっており前回値を下回ることが想定されています。米インフレの背景には労働市場の逼迫による賃金インフレが影響していることから、仮に予想通り前回値を下回る結果や予想を下振れる内容となった場合には労働市場の逼迫感が緩み米長期金利の低下からドル安に反応することが想定されますが、想定を大きく上振れるような結果となった際には引き続き賃金インフレが続くとの観測から、米利上げ見通しも引き上げてドル高への反応を強めることが考えられます。思惑に振らされる展開が続いていますが同指数の結果も利上げ見通しへ影響を与えるとみておきたいです。

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