BOE(英中銀)政策金利、今世紀最大の利上げ見込み
-前日サマリー-
ドル円は148.22円でオープン。東京市場では、黒田日銀総裁が「物価目標実現する状況になれば、YCC柔軟化も選択肢」と発言したことで円が買われ、ドル円は147.19円へ下落しました。ロンドン市場では、FOMCを控えて147円を挟んで小幅な値動きでした。NY市場では、FOMCで事前予想通り0.75%利上げが決定された一方で、FOMC声明で金融引締めによる経済への影響を考慮する文言が追加されていたことと、パウエルFRB議長が12月FOMCでの利上げペース減速を示唆したことが意識されドル円は147円から145.69円へ急落、しかしその後パウエルFRB議長がターミナルレート(利上げ最終地点)の上振れ予想を示し、利上げ停止を否定したことでドルが買い戻される動き、147.95円まで反発して取引を終えました。
-BOE(英中銀)政策金利、今世紀最大の利上げ見込み-
本日のイベントは、中国サービス業PMI、トルコ消費者物価指数(CPI)、ラガルドECB総裁発言、ノルウェー政策金利、BOE(英中銀)政策金利、英ベイリーBOE総裁発言、米新規失業保険申請件数、米ISM非製造業景況指数が予定されています。特に注目すべきは、英BOE政策金利です。
BOE(英中銀)政策金利の事前予想は、0.75%利上げ(2.25%→3.0%)が大勢となっており、BOEが1回の会合で実施する利上げ幅としては今世紀最大となる見通しです。前回9月の会合では0.5%の利上げとこれまでのQE(量的緩和)で買入れてきた英国債の売却開始が決定されましたが、トラス前英政権が打ち出した大規模減税案を発端とした英国債急落、ポンド急落などを受けて、BOEは英長期国債の緊急買入を実施しました。そして、延期されてきた英国債売却(QT)は11月1日に開始され、BOEが本格的に金融引締め・量的引締めを加速させていく場面で本日は金融政策会合の結果が発表されます。英国の政権に目を向けると、10月に辞任したトラス前首相に変わり新たに就任したスナク首相は、英国経済の優先課題であるインフレへの対処として、財政引き締めに積極的な政治スタンスをとっています。中央銀行と政府が同じ引締め方向を向くことができた局面と言い換えることもできます。この1カ月半の英国の混乱を経て、BOEが今後どのようなスタンスで金融政策を進めていくのか、声明やベイリーBOE総裁の会見で丁寧に確かめながら、本日は取引に挑みたいです。