米欧大幅利上げの中、BOE(英中銀)政策金利の見通し
-前営業日サマリー
ドル円は133.17円でオープン。東京市場では、前日からの円売り・ドル買いの動きが一服、ペロシ下院議長の台湾訪問による地政学リスクの高まりを背景に円買いが進み一時132.29円まで下落しました。ロンドン市場では、ペロシ下院議長の台湾訪問を終え、リスク警戒の動きが緩和されたことにより、ドル円は下値を切り上げる展開となりました。NY市場では、米ISM非製造業景況指数が予想に反して前回値を上回ったことにより、133.57円から134.54円へ急騰、その後は一時133.77円まで押し戻され方向感乏しく133.89円で取引を終えました。
-米欧大幅利上げのなか、BOE(英中銀)政策金利の見通し-
本日のイベントは、豪貿易収支、英建設業PMI、BOE(英中銀)政策金利・声明、米新規失業保険申請件数/貿易収支が予定されています。特に注目すべきは、BOE政策金利・声明発表です。
前回の会合では、0.25%利上げ(5会合連続利上げ)で政策金利は1.25%となりました。7月にはベイリー総裁は「0.25%以外に検討中の選択肢が存在する」と述べました。6月の消費者物価指数では前年比+9.4%まで上昇し、6月の上昇率は主要国のなかで最も高いインフレ率となり、物価の抑制が急務となっています。FRBやECBなどが0.5%以上の大幅な利上げを行っていることで、BOEも同様に対応する必要性が高まっていると考えられます。
しかし、BOEは他の主要中銀と比べると大幅利上げに積極的ではない姿勢が目立つことから、市場では0.5%の利上げにとどまるのではないかといった声が目立ちます。よって市場予想通りに0.5%の利上げが決定した場合、一旦は上昇する可能性はあるものの、ポンド買いは続かないのではないかと考えられます。また、その後の声明でハト派ととらえられる内容が含まれている場合はポンド売りが強まることも考慮しておきたいです。また、FRBが先週実施したような0.75%利上げをBOEも行う場合のサプライズ感は非常に大きく、ポンド買いの大きな材料となりえるだろうと考えられます。さまざまなシナリオを念頭にBOEの結果を注視して取引に挑みたいです。