ビックイベント米雇用統計、今夜は「平均時給」がカギとなるか
-前日サマリー-
東京市場のドル円は130.12円でスタート。序盤は前営業日の米指標を好感したドル買いの流れが継続する形で130.24円まで上昇し、その後は大台の130円を挟んでのレンジ相場に終始しました。欧州市場では一転ドル売りが優勢に、後に控える米ADP雇用統計を見極めたい思惑もあって、ドル円は調整的な動きに押され下値を広げました。NY市場では、序盤に米ADP雇用統計が発表、非農業部門雇用者数が予想下振れとなったことでドル売りが加速し、ドル円は一時129.51円まで日通し安値を更新しました。その後は、米長期金利の上昇を下支えにドル円は持ち直す展開に、米株相場の上昇を背景としたリスクセンチメントの改善から円売り優勢となる中で底堅さを保って推移し、129.83円で取引を終えました。
-ビックイベント米雇用統計、今夜は「平均時給」がカギとなるか-
本日のイベントは、トルコ消費者物価指数、欧小売売上高、米雇用統計/ISM非製造業景況指数/ブレイナードFRB副議長発言が予定されており、英国・中国・香港が祝日休場となります。
足元のマーケットでは、米経済への過度なリセッション懸念の後退などにより各国金融政策や金融引き締め観測への思惑が再燃、円売りに加えて米指標への感度も高まっています。ドル円は大台近辺、高値圏での推移ながら今後のドルの方向感、強いてはドル円の更なる上値余地を探る上では、本日の米雇用統計の結果を見極めていきたいです。前哨戦と目される昨日2日の米ADP雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を大きく下振れたことで直後ドル売り・円買いで反応しました。本日の米雇用統計も雇用者数の結果には注目ながらも、引き続き市場の関心が米経済のリセッション(景気後退)にある中では、平均時給の結果も重要視されるポイントと見ています。現時点での平均時給の市場コンセンサスは+5.2%で、前回からは賃金上昇の鈍化が見込まれています。仮に平均時給が下振れとなれば、高インフレ下での賃金低下を受けてリセッション懸念が拡大する展開は考慮しておきたいです。一方で、平均時給で高い伸び率が示されれば、リセッション懸念後退、米金融引き締め観測の高まりがドル買いを後押しする可能性も想定されることから、週末のビックイベントの内容と市場の反応に要注目です。