FXレポート

ECB内のタカ派支持拡大を後押しするか、欧消費者物価指数に注目

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は127.12円でスタート。序盤は底堅い展開も、先週からのユーロ高主導によるドル売り基調も継続する中で一時126.86円まで下落、その後は節目127円を挟んだ小幅なレンジ相場に終始しました。欧州市場では、株式相場の持ち直しなどを手掛かりにリスク警戒の動きが後退すると一転円売り優勢に、クロス円は軒並み上昇となる中で、ドル円は127.82円まで日通し高値を更新しました。NY市場に入ると、ドル円は127円台中盤まで再び下押し、その後は米国休場により全般動意も乏しく、127.59円で取引を終えました。

-ECB内のタカ派支持拡大を後押しするか、欧消費者物価指数に注目-
 本日のイベントは、日失業率/有効求人倍率、中製造業PMI、豪住宅建設許可件数、独失業率、欧消費者物価指数、加GDP/第1四半期GDP、米消費者信頼感指数/バイデン大統領とパウエルFRB議長会談が予定されています。
 5月最終営業日、各市場を通して材料には事欠かない1日ながら、とりわけ欧消費者物価指数(HICP/HICPコア指数)に注目が集まります。足元のマーケットは、ECB(欧州中央銀行)の利上げ観測の高まりやリスクセンチメントの改善を受けてユーロ買いが先行、また、これによりユーロ高主導で一旦のドル高調整局面を迎えています。先週、ラガルドECB総裁は今年第3四半期末までにマイナス金利脱却の意向を示唆、市場では7月ECB理事会での利上げ開始は既定路線となりつつある中で、その利上げ幅(25bp/50bp)の行方に注目しています。現状50bp利上げの見方は多くないながらも、ラガルド総裁の発言を皮切りに複数のECBメンバーから一段積極的な利上げを推す発言も伝わっており、本日の消費者物価指数の内容次第ではタカ派支持拡大に繋がる可能性も考えられます。市場コンセンサスをみると、消費者物価指数(HICP、前年同月比)は7.7%と前回からインフレ加速予想、上昇基調が確認できれば急進的な利上げへの思惑から一段のユーロ買いを促す展開も想定されます。加えて、翌日にはラガルド総裁の発言、翌週にはECB理事会が控え、7月理事会までECB内の政策スタンスを注視して見極めていきたいです。

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