満を持しての米雇用統計
-前日サマリー-
ドル円は東京市場からじり高で推移し109.80円まで値を上げましたが、明日の米雇用統計を意識した神経質な動きも観測され、2日間の海外市場のレンジ内での動きに終始しました。欧州勢参入後も底堅さを見せていた中で、ロシア財務省が政府系ファンドでドル保有高をゼロにする計画と発言するとドル売りが優勢になり、ドル円は109.60円台まで一時下落しました。その後、ADP雇用統計と米新規失業保険申請件数が軒並み予想を上回る好調な結果となったことでドルは大きく上昇しました。また、ISM非製造業景気指数も雇用指数は低下したものの、全体的には予想以上の上昇となり、一時110.31円と4月6日以来約2カ月ぶりの高値まで上値を伸ばし取引を終えました。
-満を持しての米雇用統計-
米雇用統計の前哨戦として注目される昨日のADP雇用統計、米新規失業保険申請件数の結果は心強いものとなりました。特にADP雇用統計は前月からの縮小予想をいい意味で裏切り、昨年6月以来最大の雇用者数となっています。一方、米国ではワクチン接種や経済再開の進展がみられるものの、景気刺激策としての手厚い失業給付等が労働供給の制約と企業雇用を阻害しているといった話もある為注意が必要です。前回発表でのギャップを鑑みると予想は難しいですが、ただ内容次第では、今月FOMCでの早期出口戦略に向けたヒントが示される可能性へとつながると見られており、結果に注目したいです。