FXレポート

エルドアン大統領、またか。

-前日サマリー-
 昨日はISM製造業景況感指数の発表が行われ、結果は61.2と市場コンセンサスの60.9を上回りました。市場は結果を好感すると思いきや、サプライチェーンの問題に起因する製造業のリソース不足を示したとしてドル売りで反応しました。発表直後は10pips程度の反応に留まりましたが、その動きを皮切りに一時109.34円までじりじりと下落、その後も押し目の買いが入ったものの上値重たく推移し、109.40円台半ばで取引を終えました。金曜日に雇用統計の発表を控え、方向感も見出しにくい地合いが続きます。

-これがエルドアン砲か-
 今日の日本時間6時前にトルコのエルドアン大統領がトルコ中銀総裁と会談を行い、「我々は金利を下げなければならない」と発言したことを受けてトルコリラ円はオープン直後、一時12.32円まで急落しました。その後は安値圏での買いも入り12.60円まで戻す動きを見せました。
 エルドアン大統領の利下げに執心するハト派っぷりは今に始まった話ではありません。中銀総裁人事にも自身の金融政策を行うハト派人事を適用しており、総裁も数か月単位で解任を行っています。エルドアン大統領は政策金利を下げることでインフレ率上昇にも歯止めがかかるという理論を固辞しており、市場は何年もそれに振り回されてきました。今回の発言はエルドアン大統領の利下げに対する意欲の高さを再確認することとなり、再来週17日に向けてやや利下げ観測が強まざるを得ない形となりました。
 今朝の下落で昨年11月の水準まで下落したことで再度下値が意識されるでしょう。日足ベースで12.80円に実体を載せて引けることができれば一旦は底堅さと解釈できますが、実体が安値を大幅に割った状態で引けるようであれば12円台前半も視野に入ってくるでしょう。

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