財政・介入観測・政局報道が円へ与える波及
-前営業日サマリー‐
ドル円は153.64円でオープン。東京市場では、国内イベントを控えて様子見姿勢が強く、ヘッドライン待ちの流れでした。ロンドン市場では、欧州側材料を受けた断続的なフローに揺さぶられつつもレンジ内の取引が続きました。NY市場では予想上振れの米指標の結果を受けたドル買いが優勢となり、154円台の節目を回復。そのまま、154.11円で取引を終えました。
-財政・介入観測・政局報道が円へ与える波及-
本日のイベントは、豪貿易収支、英BOE政策金利、英ベイリーBOE総裁発言、米バーFRB理事発言が予定されています。
昨日は、日本の財政・介入・政局に直結する新規のヘッドラインは限定的でした。為替介入に関する具体的報道も見当たらず、国内政治から円相場への直接インパクトは乏しかったとみられます。一方で、「(英国に類する)財政悪化懸念でも円売り地合いは変わりにくい」との見通しが示されており、海外の財政テーマが円のリスクプレミアムに波及しうる点は意識されました。国内政治ネタが薄い局面ではイベント待ちのレンジ相場になりやすく、短期は上限・下限の逆張りや、米金利・海外政治ニュースへの順張り、日本の「介入観測」系ヘッドラインが出た場合は、ストップが溜まった局面でヒゲを作りやすいかもしれません。日本政治起点の新規材料は限られた一日でしたが、海外の財政・政治ヘッドラインが円のリスクセンチメントに波及し、153円台前半~半ばの値動きに影響した点は念頭に置きたいです。新規材料が少ない間は、テクニカルの節目とフローの流れを丁寧に拾っていく必要がありそうです。