ロシア企業制裁で原油高騰
-前営業日サマリー‐
ドル円は、151.92円でオープン。東京市場ではしっかりとした展開となり、前日の市場で上値を抑えた152円付近を朝のドル高・円安地合いで超えるとその後もじりじりと上値を伸ばし、午後には152円台中盤まで回復しました。ロンドン市場でも流れは継続。下値を切り上げながらじり高となりました。NY市場では、原油高騰による米長期金利上昇がドル円のサポートとなって上昇。一時下押す場面はあるも、下値も限定的で152.58円で取引を終えました。
-ロシア企業制裁で原油高騰-
本日のイベントは、日全国消費者物価指数、豪ブロックRBA総裁発言、英小売売上高、仏独欧英米PMI、米消費者物価指数が控えており、重要指標が多数予定されています。
米政府がロシアの石油企業を経済制裁の対象に加えたことを受け、昨日の取引では欧米の原油先物相場が急騰。ロシア産原油の輸入国だった中国やインドでもロシアからの輸入を一時停止する動きも見られ、米長期金利もそれにつれて上昇となりました。為替相場でもそういった影響下でドル高傾向となっています。国際エネルギー機関によると、2024年のロシアの原油輸出先は国別では中国が4割、インドは3割ほど。この2国の購入控えはロシアにとっては大きな痛手です。ただ、他の既存産地では生産量を上方修正するなどの動きから供給調整が行われること等を踏まえると原油上昇も一時的とみておきたいです。ウクライナとの和平交渉が進まなければロシアへの追加制裁が強まると米国政府は圧力をかけ、情勢は緊迫した状況です。原油相場など、まわりまわって為替相場への影響が強まることとなるため、政治・中東情勢など材料を注視しながら取引に臨んでいきたいです。