パウエルFRB議長、イエレン財務長官の議会証言に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は、160.73円でオープン。6月30日と7月7日に実施されたフランスの立法選挙の結果、極右の国民連合(RN)や左派の「新人民連合」が躍進し、マクロン大統領の与党連合が議席を大幅に失いました。この結果、ユーロ円は円高方向に窓を開けての取引開始となりました。東京市場では判断材料が乏しく主要通貨ペアで方向感に欠ける値動きとなりましたが、続くロンドン市場では極右リーダーのルペン氏がマクロン大統領に協力を示している事もあり仏政局不安が和らいだとの見方からユーロが買われる展開に。ユーロ円は一時174.62円の値を付け、史上最高値を更新しました。NY市場では、主だった材がない中で円と米ドルが強い展開となりました。ドル円は160円後半の高値圏を推移し、最終的に160.79円で取引を終えました。
-パウエルFRB議長、イエレン財務長官の議会証言に注目-
本日のイベントは複数名の米FRBメンバーの発言、米パウエルFRB議長及びイエレン財務長官の議会証言が予定されており、主要国市場では休場の予定はありません。
パウエルFRB議長およびイエレン財務長官の議会証言において、注目すべきポイントがいくつかあります。パウエル議長は先日のECBフォーラムで、労働市場が予想外に軟化したと指摘し、金融政策の方向性に影響を与える可能性を示唆しました。後日発表された雇用統計では非農業部門雇用者数が前回の数値を下回るものの、市場予想を上回る結果となり、また、失業率が予想をわずかに上回る結果が発表されました。このデータは、労働市場が依然として強い一方で、いくぶん軟化している兆候を示しており、パウエル議長がこの点をどのように評価するかが注目されます。
さらに議長はインフレ率に関してもECBフォーラムで物価がディスインフレ傾向を再開していることを示すと述べ、1年後のインフレ率が2%台前半に落ち着くと予想していました。雇用統計での平均時給は前年比で3.9%と予想通りの結果となり、賃金上昇圧力が一部和らいでいることが確認されたため、インフレの抑制に対する自信を深める可能性があります。議会証言では、これらのデータが金融政策の調整にどう反映されるかについて具体的に言及されるかが重要なポイントとなりそうです。また、財務政策と金融政策は連携して経済を支えるべきものである為、イエレン財務長官の証言も経済政策全体の方向性を示すために重要と考えられます。このような点に注視しつつ本日も取引に臨みたいです。