FXレポート

米雇用統計前夜:市場は152円突破の可能性を見極める

-前営業日サマリー-
 ドル円は151.52円でオープン。東京時間では、台湾の巨大地震からのリスク回避で円が買われ、ドル円は一時151.44円まで下落。その後は、日銀が国債買い入れの減額を見送るとの報道や時間外の米長期金利上昇により持ち直し151.80円付近で上値を試す展開となりました。ロンドン市場では、欧HICP速報値が予想を下回る結果で発表されましたが、為替への影響は限定的でした。NY市場では、序盤に発表された米ADP全米雇用報告で市場予想を上回る結果となりドル買いの流れに。一時151.95円の値を付けましたが、その後の米ISM非製造業景況指数で市場予想を下回り151.60付近まで下落。パウエル議長がインフレ鈍化による年内利下げの方針に大きな変化はないと意向を示したことも重しとなりました。ドル円は151.66円で取引を終えました。

-米雇用統計前夜:市場は152円突破の可能性を見極める-
 本日のイベントは、スイス消費者物価指数、欧ECB理事会議事要旨、米新規失業保険申請件数を予定しており、中国市場が休場となります。
 前回の政策金利でサプライズ利下げをしたスイスのCPI発表では、今後も利下げ持続を後押しする結果となるのか、地理的に影響が出やすいECBにとってもメインシナリオである6月利下げ観測へどう影響がでるのか、これらが焦点となりそうです。
 足元ではドル円は152円突破を試みるも反落する場面が何度かありました。本邦の為替介入警戒感の他にも、日経平均が下落していることで日本株を所有している海外勢によるリスクヘッジとしての円売りポジション解消も上値を重くしていると思われます。しかし、明日に控える米雇用統計をはじめ、重要指標がサプライズとなれば152円突破の可能性は十分考えられる状況であり、それにより為替介入が行われた場合、狭いレンジ相場から一転して激しい値動きとなるかもしれません。引き続き予断を許さず取引に臨みたいです。

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