FRBバランスシート縮小、今日から開始
-前日サマリー-
東京市場のドル円は127.55円でスタート、月曜の米国祝日が明けて米長期金利が先週末引け水準(2.74%)から2.84%へ大きく上昇して時間外取引が始まったことでドル買い優勢の流れ、ドル円は仲値の決定時刻にかけて128.33円まで上昇しました。ロンドン市場では、ドル円の大幅上昇を受けて利益確定の動きがあったか127.64円まで調整反落となりましたが、米長期金利が2.87%へ上昇幅を広げたことでドル円は128.72円まで再び上昇しました。ニューヨーク市場では、好調な米経済指標を材料にドル円は128.88円まで上値を伸ばしましたが、その後は上昇一服の動きが続き128.71円で取引を終えました。
-FRBバランスシート縮小、今日から開始-
本日のイベントは、豪GDP、中国財新製造業PMI、ラガルドECB総裁発言、米ISM製造業景況指数、カナダ政策金利、ウィリアムズ・米NY連銀総裁発言、ブラード・米セントルイス連銀総裁発言、米ベージュブックが予定され、先月FOMCで決定された米バランスシート縮小(QT)が本日から開始されます。
米バランスシート縮小(QT)では、FRBがこれまでの量的緩和で買入れてきた米国債・MBS(住宅ローン担保証券)などの資産について、その償還金のうち再投資する金額を調整することによって、FRBの保有する資産規模が縮小されていきます。5月FOMCで決定されたバランスシート縮小(QT)の主な内容としては、6月に月475億ドルを上限に資産圧縮を行い、9月にかけて月950億ドル上限まで圧縮ペースを加速する方針とされています。5月のマーケットでは、この米金融引締めに対する「先行き警戒感」から米国債売り(米国債利回り上昇)と株売りのリスクオフ相場となりました。6月からのマーケットでは、米金融引締めが米国債市場の需給バランスに直接影響するだろうと考えられます。米国債の大きな買い手として存在感を持っていたFRBが米国債の再投資額を減らすことで、米国債の買い手不足による価格低下(金利上昇)や、機関投資家などのポートフォリオリバランスによる国債買い・株売りなどの影響がまず考えられます。為替市場では、FRBのバランスシート縮小によるドルの市場流通量の縮小が考えられ、「需給面」でドル高となる可能性があります。5月までの「FRBの金融引締めに対する先行き感」で動意づいていたマーケットから、「需給」で動くマーケットになることを想定して、今月からは取引に挑みたいです。