新型コロナのヘッドラインに警戒
-先週末サマリー-
東京市場でのドル円は114.29円でスタート。前営業日と比べてやや強含み、日経平均株価が底堅く推移しているほか、週末の実質5・10日(ゴトー日)とあって仲値に向けた本邦実需勢の買いも入り、序盤から一時114.36円まで値を上げました。ロンドン時間になると、スパーン独保険相が「国家的な緊急事態に陥っている」「新型コロナの感染状況は先週よりも深刻」と述べたほか、オーストリア首相が最大20日間のロックダウンを宣言したことをきっかけにリスクオフから円全面高の展開になりました。ドル円は114.53円から113.58円まで大幅に下落したほか、ポンド円も154.40円から152.52円まで急ピッチに下落しました。もっとも、NY市場では「マース独外相は独全土のロックダウンの可能性について否定した」との報道が伝わると、リスク回避の動きが後退したことで買い戻す動きとなりドル円は114.03円まで持ち直して取引を終えました。
-新型コロナのヘッドラインに警戒-
本日のイベントは、米10月中古住宅販売件数、欧11月消費者信頼感(速報値)が予定されています。先週のFRB理事と副議長がテーパリングの加速を来月12月のFOMCで協議する旨の発言をしており、中長期的にみてドルの下支えの材料になるとみてます。一方で、ドル円は欧州の新型コロナの感染拡大を受けて、リスクオフから円高局面になっています。ドイツでは危機感から「国家的な緊急事態」と強いメッセージを発しており動向に注目したいです。また話題にはなっていませんが、米国でも感染が拡がっており材料視されれば投資家のリスクセンチメントが悪化しドル高円高が強まる展開が考えられます。新型コロナ関連のヘッドラインに警戒しながら取引にのぞみたいです。