ISMとADP発表!雇用統計前哨戦!
【本日のトレードポイント】
-ADPで雇用の回復確認できるか-
週末に発表が予定される雇用統計の先行指標とも言われているADP全国雇用者数の発表が、今夜日本時間の21:15に予定されています。コンセンサスは120万人と前回値の236.9万人を下回ります。新型コロナウイルス流行前と比較すれば、遥かに大きい数字ではありますが、5月の-2,023万人という数字を考えれば回復への道のりは遠いと言えます。コロナの米国は今最も新型コロナウイルスの影響を受けている国の1つと言え、依然として雇用にもその影を落としていると言わざるを得ません。
今夜はADPのみならずISM非製造業景況指数も日本時間23時に発表が予定されています。コンセンサスは55.0でこれも前回値の57.1を下回ります。月曜日に発表されモメンタムに回復の兆しが見られたISM製造業景況指数同様に50を超える数字を記録することが出来れば、堅調な消費動向を推測することが出来ます。
雇用と消費、この2つの指標の落差はドルの方向性を複雑にします。発表直後はサプライズや結果に応じた反応を示すことが予想されますが、方向性を備えたトレンドを作れるかは懐疑的と言えます。
-雇用統計は大統領公認リークも-
週末に発表を控える雇用統計ですがトランプ米大統領は明朝に「金曜日の雇用統計では大きな数字が来る」と発言。大統領による公認のリークともいえるこの発言ですが、マーケットの反応はドルが小幅に買われるに反応は留まりました。実はトランプ米大統領が雇用統計に関して事前に発言するのはこれが2回目です。前回は2018年の6月1日にTwitterでツイートを行い、野党が規制当局に調査を依頼する事態に発展しました。ただ、前回の言及が発表の1時間前だったのに対して、今回は3日前。通常、大統領は前日に雇用統計の結果について報告を受けるとされており、結果を踏まえての言及なのか、トランプ米大統領の"希望的観測"を述べたに過ぎないのか疑問視されます。ただ、再度の言及があっても"Buy the rumor, sell the fact(噂で買って事実で売れ)"となる可能性もあるため、慌てて反応する必要はありません。慎重に立ち回りましょう。