市場の高速掌返し
【本日のトレードポイント】
-全て売られた-
一昨日までの市場は完全にリスク選好度を高めており、株式市場をはじめとして多くのリスク資産が値上がりしていました。ナスダックは史上最高値を更新するなどバブルの様相を呈しており、一部の市場参加者は過熱感を指摘していましたが、リスク選好姿勢は崩れることはありませんでした。
しかし昨日米株市場は暴落。ダウ平均株価は前日比1800ドル超となり史上4番目の下落幅を記録しました。これはWHOがパンデミック宣言を出した3月11日を上回ります。これほどまでに米株が崩壊した要因として、株価の上昇を支えていた米国の経済再開期待が減退した点、新型コロナウイルスの第二波懸念が高まった点の2点があげられます。前日のFOMCを経て材料出尽くし感が否めないことも大きな要因としていえるでしょう。
-ブレグジットに再スポット-
イギリス政府は、英のEU離脱問題に関して、ジョンソン英首相とファンデライエン欧州委員長は6月15日に会談を行うと発表がありました。加えて、6月29日から8月1日までの間、毎週正式な交渉の場と小規模な協議を行うとの発表もありました。交渉が著しく遅れているイギリスとEUの交渉のペースが加速することから欧州通貨には好材料といえるでしょう。しかし、発表を受けてのユーロやポンドは反応限定的で、進展に懐疑的な市場参加者の心理が見えます。
しかし、これから重要局面を迎えるブレグジットは新型コロナウイルス・米中問題に並ぶ最重要トピックとして再度スポットライトを浴びることでしょう。