高まる不確実性 バイデン大統領撤退を表明
-前営業日サマリー-
ドル円は、157.39円でオープン。東京市場では、バイデン大統領が次期大統領選からの撤退を表明と大きなニュースがあったものの、午前中は大きな動意もなく、一方向の動きとはなりませんでした。ただ、午後に入ると円買いが優勢の地合いとなり、一時ドル円は156円台前半まで下押しました。ロンドン市場では、欧州株が堅調な推移となったことでリスク警戒後退から円売りとなり、157円付近まで買い戻し、NY市場では大きな動意も生まれなかったことでそのまま、157.07円で取引を終えました。
-高まる不確実性 バイデン大統領撤退を表明-
本日のイベントは、日国債買い入れオペ、トルコTCMB政策金利、米中古住宅販売件数が予定されており、米株引け後にはアルファベットやテスラなど米大手企業の決算が控えています。
バイデン大統領は昨日、24年の大統領選から撤退することを表明。後継候補としてはハリス副大統領を支持、高齢で健康問題を抱えているバイデン氏が身を引くのは多くの市場関係者にとって想定していたものではあったものの、政治情勢の不確実性が改めて意識される格好となっています。今後、ハリス氏が正式に民主党の大統領候補に選ばれ、彼女の声でトランプ前大統領の再選確率が後退すれば、直近まで一つのテーマとなっていた「トランプ・トレード」が巻き戻されて、為替・株式市場へは影響が出そうです。
とはいえ、トランプ前大統領が掲げる関税の引き上げや財政拡張政策などによるインフレ誘発、対ドルでの円安、元安けん制など売り・買いの材料が混在している状況から為替相場の方向感は一方向とはなっていません。不確実性の多さから今後の見通しについては難解ではありますが、大統領選の行方は相場への影響度合いも高いため、引き続き情報を追っていく必要がありそうです。