独CPIと米コンファレンスボードに注目
-前日サマリー-
ドル円は139.23円でオープン。東京市場では、中国での新型コロナ感染拡大、「ゼロコロナ」政策への抗議デモ実施などを受けた政治・経済先行き不透明感からリスクオフとなり、前日安値の137.50円を付けました。ロンドン市場の後半からNY市場にかけては米10年債利回りの上昇を眺めて一時138.90円まで回復しました。しかしその後の上値は重たく、もみ合う展開となり138.89円で取引を終えました。
-独CPIと米コンファレンスボードに注目-
本日のイベントは、独消費者物価指数(CPI)、加GDP、米ケース・シラー住宅価格指数、米消費者信頼感指数(コンファレンスボード)、ベイリーBOE総裁の発言が予定されています。
先月、ECBは2会合連続で0.75%の利上げを決定しましたが、会見でラガルド総裁は将来の利上げペースを減速させる可能性を示唆しました。ただ政策金利は会合ごとに決定し、データによるところが大きいと強調していることから独CPIの結果を注視したいです。9月、10月のCPIは10%付近で推移しており、今回も予想値は10.4%となっております。昨日、ラガルド総裁はインフレがピークに達したとの発言は控えると述べていることからCPIの結果が予想値を上回る場合には、利上げペース減速の観測が弱まり、ユーロ買いの材料となるかもしれません。
ドル円の材料としてはコンファレンスボードに注目です。コンファレンスボードは米国経済を消費者視点から分析したデータであり、数値が高いほど消費者の楽観的な見方が強いことを表しています。今回の予想値は100となっており、年内で100を割り込んだのは6月と7月のみです。再び100を割り込む結果となれば景気悪化懸念が高まり、ドル売りへと繋がる可能性があります。
足元では中国の政治・経済見通しの不透明感からリスクオフの地合いとなっており、クロス円は軒並み下落しています。その状況下でドル売り、ユーロ売りの材料が出てくると下落に拍車がかかるかもしれません。本日もヘッドラインに注意して取引に挑みたいです。