FXレポート

米長期金利5%突破、ドル円は金利上昇の持続性を見極める局面

-前営業日サマリー-
 ドル円は153.43円でオープン。東京市場では、今週のFOMCでの利上げが9割前後織り込まれるなか、今後の利上げサイクルについてもタカ派的な見通しが意識され、ドル買いが優勢となりました。ドル円は154円台を目指して上値を伸ばす展開となりました。ロンドン市場では、エネルギー価格の高騰を背景に有事のドル買いが強まり、一時155円付近まで上昇。ただ、155円にタッチした後は上値の重さが意識され、NY市場では原油価格の急落を背景にドル売りが優勢となりました。上昇幅を縮小したドル円は154.37円で取引を終えています。

-米長期金利5%突破、ドル円は金利上昇の持続性を見極める局面-
 本日のイベントは、英雇用統計、独ZEW景況感調査が予定されています。
 米10年物国債利回りが14日に一時5%を突破。長期金利は幅広い金融資産の価格形成や資金調達コストの基準となるため、5%近辺での推移が続くかが今後の金融市場を考えるうえで重要になります。2023年10月にも米長期金利は5%に到達しており、当時はS&P500種株価指数が7月下旬のピークから1割強下落していました。一方、その後は長期金利が急低下すると株式相場も反発しており、今回も5%突破そのものだけでなく、金利がさらに上昇するのか、それともピークアウトするのかを見極める必要があります。
 特に今回は、金利上昇がAI関連をはじめとする高成長株のバリュエーションを圧迫するほか、米国債の相対的な投資妙味を高め、企業や消費者の借入コストを押し上げる可能性があります。米国の住宅市場や個人消費への影響が強まれば、金利上昇が景気を冷やす経路も意識されます。このため、米金利上昇を単純にドル買い材料として捉えるだけではなく、高金利による景気・株式市場への悪影響がどこまで強まるかにも注意したいところです。
 さらに米連邦政府の総債務は8月中旬に40兆ドルを突破しており、長期金利の高止まりは政府の利払い負担を拡大させます。米議会予算局(CBO)は2026年の長期金利を4.1%、2027年を4.3%と想定しているため、5%近辺での高止まりはこの前提を上回ります。利払い費増加から国債発行が増え、それがさらに投資家の要求利回りを押し上げる悪循環への警戒も示されています。ドル円では、目先は米長期金利の5%台定着の有無と、それに対する米株の反応を合わせて確認することが売買判断のポイントになりそうです。

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