FXレポート

原油高と日銀利上げ観測 ドル円の綱引き続く

-前営業日サマリー-
 ドル円は154.35円でオープン。東京市場では、円キャリートレードの巻き戻しへの警戒が広がるなか、前日に下値を支えた154円台の買いをこなして下落し、昼前には153円を割り込みました。ロンドン市場では、中東情勢を受けた原油価格の上昇を背景にドル買い・円売りが優勢となり、東京時間の下落に調整を入れる格好で買い戻しが進行。NY市場では一時、円が急伸する場面も見られましたが、エネルギー価格上昇に伴うインフレ懸念も高まり、ドル円は底堅さを維持。154.01円で取引を終えました。

-原油高と日銀利上げ観測 ドル円の綱引き続く-
 本日は注目度の高い経済指標こそ予定されていないものの、足元では原油価格が大きく上昇しており、エネルギー価格の上昇を背景としたドル買いが強まるか、為替相場への波及に注目しておきたいです。
 SPR(米戦略石油備蓄)の在庫は先週、約120万バレル減の2億8540万バレルとなり、1982年以来の低水準まで減少しました。7月24日時点では3億765万バレルあったことを踏まえると、日量50万バレル程度のペースで減少してきています。足元の原油高を抑制する思惑も重なり、市場への放出が続いていますが、限定的なSPR放出については2億5240万バレルを下回る場合には利用できないという米国法上の下限が存在します。
 こうした下限への意識が強まるなか、昨日は米国がイランのカーグ島の石油施設を爆撃し、中東情勢を巡る緊張が続いています。日量50万バレルのペースで計算すれば、今後数週間は放出を続けられる可能性がありますが、放出余地の限界が近づけば、市場がそれを先回りして織り込み、WTI原油が100ドルを目指していく可能性があります。その場合、為替相場への波及も避けられません。
 ドル円では、日銀の利上げ観測が円高要因となる一方、歴史的なエネルギー価格の高騰がドル需要を強める要因となっており、双方の材料が拮抗しています。前営業日も東京市場で円買いが進んだ後、原油高を背景にロンドン市場でドル買い・円売りへと巻き戻されたように、方向感の判断が難しい局面です。目先は日銀の利上げ観測による円高圧力が続くのか、それとも原油高を背景としたドル需要が上回るのかを見極めながら、原油価格と中東情勢のヘッドラインに警戒しておきたいです。

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