ベッセント氏が円売りけん制 原油・米金利高との綱引き続く
-前営業日サマリー-
ドル円は153.96円でオープン。東京市場では、ベッセント米財務長官による強めの円安けん制発言を受けて円買いが先行し、一時153.25円付近まで下落しました。仲値に向けたドル買いで153.80円台まで持ち直したものの、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、時間外の米長期金利が上昇幅を縮めたことが重しとなり、午後には再び下値を試しました。ロンドン市場では、前日安値の152.89円が意識されるなか、152.95円付近まで下げると、原油高や米長期金利の高止まりを背景に153.73円付近まで反発。ただ、日米欧の株価指数が軟調に推移したことや、強い円買いに上値を抑えられました。NY市場では、米財務省が10日に長期米国債を最大60億ドル買い戻すと発表したものの、市場では規模が限られるとの見方から米国債が売られ、米10年債利回りは一時4.85%まで上昇しました。これを受けてドル円は153.80円付近まで買い戻されたものの、その後は上値を抑えられ、最終的に153.57円で取引を終えました。
-ベッセント氏が円売りけん制 原油・米金利高との綱引き続く-
本日のイベントは、本邦増日銀審議委員の発言、トTCMB政策金利、欧ECB政策金利、米新規失業保険申請件数、米生産者物価指数などが予定されています。ベッセント米財務長官は、足元の円相場や日米当局による円買い介入を巡り、米国は日本政府や日銀の動向について市場に流れていない情報を持っていると強調し、投機的な円売りをけん制しました。7月末に日米が協調介入へ踏み切った経緯もあるだけに、今回の発言は再介入への警戒を高め、積み上がった円売りポジションの解消を促す材料となっています。一方、中東情勢の緊迫化を受けて原油価格は一段と上昇しています。北海ブレント原油先物は約1カ月半ぶりに1バレル100ドルを上回り、WTI原油先物も95ドル台まで上昇。イラク領海でタンカーがドローン攻撃を受けたほか、ペルシャ湾やオマーン湾でも複数の商船が攻撃を受けており、原油供給や海上輸送への懸念が強まっています。原油高はリスク回避の円買い要因となる一方、エネルギー輸入に伴うドル需要の増加を通じて円売りを促す面もあり、円相場への影響は一方向とは限りません。また、米金利の上昇もドル円の下支え材料です。米財務省は、残存期間10~20年の米国債を最大60億ドル買い戻すと発表しました。前回の3倍に当たる規模ですが、発表後も債券売りは収まらず、米10年債利回りは一時4.85%と2023年11月以来の高水準まで上昇しました。原油高によるインフレ懸念も重なるなか、本日の米生産者物価指数が市場予想を上回れば、米金利の高止まりを通じてドルが買い戻される可能性があります。ドル円では、ベッセント氏の円安けん制や介入警戒が上値を抑える一方、原油高と米長期金利の上昇が下値を支える構図となっています。直近安値を下回れば円高が加速する可能性がある一方、原油と米金利が高止まりすれば154円方向へ反発する展開も考えられます。本日は米生産者物価指数を受けた米金利の反応に加え、中東情勢と当局者発言を巡るヘッドラインに警戒しておきたいです。