FXレポート

中東情勢の緊迫化で市場は神経質な展開 ドル円は上放れのタイミングを探る

-前営業日サマリー-
 ドル円は162.12円でオープン。東京市場では、方向感に欠けるもみ合いの展開。米物価指標の鈍化を受けてFOMCでの追加利上げ観測が後退しドル売りが意識された一方、中東情勢の緊迫化を背景とした安全資産需要がドルを支え、売買が交錯しました。ロンドン市場では、米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢となり、ドル円は162円台半ばまで上昇。NY市場では、中東情勢への警戒感が一段と強まる中で米金利も上昇し、ドル買いの流れが継続しました。ただ、162.55円付近では上値の重さも意識され、その後は162.37円で取引を終えています。

-中東情勢の緊迫化で市場は神経質な展開 ドル円は上放れのタイミングを探る-
 本日のイベントは、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定されています。
 昨日のNY市場では半導体関連や人工知能銘柄の一部に売りが波及し、ハイテク比率の高いナスダックは3日ぶりに反落。1.4%安となりました。決算を迎えたTSMCも結果自体は市場予想を上回り、AI需要の強さを感じさせるものでしたがADRは下落。好業績の織り込みがかなり進んでいただけに材料出尽くし感が意識されたのに加え、過剰投資によるリスク面を警戒されました。ゴールドも1トロイオンス=4000ドルを割れ、各アセットからの資金流出が目立ちつつあります。
 投資家心理がリスクオフの中、為替市場では円買い・ドル買いが交錯。ドル円の値動きも限定的で7月に入ってからは値幅を徐々に縮小させながら上下動する展開が続いています。テクニカル的には三角持ち合いを形成しており、値幅を見るにそろそろどちらかに勢いをもって方向感が生まれるかもしれません。ヘッドライン次第な部分はありますが、値動きに注視しておきたいところです。
 そんな中で、引き続き焦点は中東情勢です。イランはイエメンの親イラン武装勢カフーシに米国がイランの電力インフラを攻撃した場合、紅海の封鎖を準備するよう指示したと報道されており、けん制の応酬が続いています。原油価格も足元では80ドル程度と高止まりしており、油価の上昇に敏感なトランプ氏も苛立ちを見せています。昨夜には「イランの軍事能力をさらに低下させる」と攻撃的な姿勢は崩しておらず、緊張緩和への道筋はまだ見通せません。情勢が長続きするのであれば、先日の物価指標によるドル売り効果は続かず、キャリートレードの後押しも背景にドル円も上昇基調の地合いとなりそうです。

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