FXレポート

ECB据え置きと中東リスク

-前営業日サマリー-
 ドル円は163.11円でオープン。東京市場では、163円を挟んで小幅な値動きに終始しました。良好な豪雇用統計を受けて対ドルでは豪ドル買いが進みましたが、同時に豪ドル円の上昇を通じて円売りも強まり、ドル円は方向感を欠く展開となりました。ロンドン市場では、中東情勢の長期化への警戒が強まり、原油価格と米長期金利が上昇しました。これを受けてドル円は163円台半ばまで上値を伸ばしました。NY市場でも地政学リスクを背景としたドル買いが続き、ドル円は164円手前まで上昇しました。ただ、164円を目前に上昇が一服し、米長期金利の上昇幅が縮小したことも重しとなって、163円台後半へ押し戻されました。その後もトランプ米大統領によるイランへの大規模攻撃を巡る報道を受けて警戒感が続くなか、163.85円で取引を終えました。

-ECB据え置きと中東リスク-
 本日のイベントは、本邦全国消費者物価指数、英小売売上高、仏独欧英米PMIが予定されています。
 ECBは23日の理事会で、ECB政策金利を2.25%に据え置きました。6月に約3年ぶりの利上げに踏み切った後、今回は追加利上げを見送り、今後の判断を9月会合に持ち越しました。ユーロ圏のインフレ率は足元でやや鈍化しているものの、中東情勢の緊迫化に伴う原油高が今後の物価に波及する可能性は残っています。ラガルド総裁も、エネルギー価格上昇の影響は十分に表れていないとして、追加利上げの可能性を排除しませんでした。ユーロ圏景気が底堅さを維持するなか、市場では今回の据え置きを一時的な休止とみる向きが多く、9月以降の政策対応がユーロ相場の焦点となりそうです。
 中東では、フーシ派がサウジアラビア関連の石油タンカーを攻撃し、紅海のバベルマンデブ海峡周辺でも航行リスクが高まりました。ホルムズ海峡を避ける代替輸送路でも安全性への懸念が強まったことで、原油供給や海上物流への影響が一段と意識されています。今後、船舶の迂回や保険料の上昇が広がれば、エネルギー価格だけでなく輸送コスト全般を押し上げる可能性があります。中東情勢のさらなる悪化は、原油相場や各国のインフレ見通しに加え、市場の警戒感を一段と高める可能性があります。

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