FXレポート

日銀政策会合、インフレへの考え次第では年内金融緩和終了の兆しが見えるか

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は118.71円でスタート、ロシア・ウクライナ停戦交渉の進展観測や日経平均の一時900円高が好感されリスクオンの円売りの勢いが優勢で、ドル円は一時119.02円まで上昇しました。ロンドン市場では、英中銀(BOE)が予想通り「0.50%→0.75%」の利上げをした一方で政策メンバーの一人が政策金利据え置きを主張したことが嫌気され、ポンド円は156.70円から155.47円へ急落しました。ニューヨーク市場では、ロンドンフィックスに向けてドルが売られ、ドル円は118.65円から118.41円へ急落、その後は米株高を背景に自律反発してドル円は118.60円で取引を終えました。

-日銀政策会合、インフレへの考え次第では年内金融緩和終了の兆しが見えるか-
 本日のイベントは、日消費者物価指数、日銀政策決定会合(政策金利・声明発表)、黒田日銀総裁記者会見、ロシア政策金利、カナダ小売売上高、米中古住宅販売件数、米景気先行指数、米ボウマンFRB理事発言、米中首脳電話会談が予定されています。特に注目すべきは、日銀政策決定会合と黒田日銀総裁記者会見の内容です。
 ロシアによるウクライナ侵攻や主要国の経済制裁が始まってから日銀政策決定会合の開催は今回が初めてです。前回1月の会合以降は世界情勢が一変して、世界的にインフレが加速、英米欧などの主要国中銀は金融引締め方向に舵を取っています。日本でも、原油高や対ロシア経済制裁の影響で物価上昇が懸念されていますが、今回の日銀会合で示される声明や、黒田日銀総裁の記者会見で物価上昇をどの程度見通しているのかという点に、今回は注目しています。1月に公表された日銀展望レポートで示された日本の消費者物価指数を見ると、2021年度に0.0~0.2%、2022年度に1.0~1.2%のインフレ率が見通されていました。世界的な物価上昇の影響で日本のインフレ見通しを引き上げるアナウンスや、高いインフレ率を危惧する内容のメッセージが出てくれば、「近い将来に日銀が金融緩和を縮小するのではないか」との思惑が広がる可能性もあります。今回の会合の市場見通しは「金融緩和継続」が大勢となっていますが、2022年度の金融政策を占うという意味で、日銀のインフレに対する考えを丁寧に確認しながら、本日は取引に挑みたいです。

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