FXレポート

ジャクソンホール待ちも米指標には注視

-前日サマリー-
 東京市場では、前営業日NY市場からのドル買戻しの流れを継続、ドル円は109.68円とわずかに前日高値を超えるなど底堅い動きを見せました。11時発表のRBNZ政策金利及び声明では、「景気回復は順調、金融刺激策を継続する必要性は低い」としながらも、昨日NZ政府が発令したロックダウンの影響などから金利据え置きの結果となりました。利上げの市場予測が裏切られたことで、直後NZドルは大きく売りで反応、NZドル円は一時90銭近く下落となりました。ただ、午後に入ると今後の利上げ期待継続の見方が広まったことでNZドル買いに傾き、指標発表前の水準を超える場面もあるなど降幅の激しい展開を見せました。欧州市場でもドル高基調を維持する中、15時に英消費者物価指数が発表され、総じて予想を下回る軟調な結果となりました。ポンド円は指標発表直後こそ弱含んだものの、その後は欧州株相場なども含め市場におけるリスクマインドの好転による円安の流れなどを支えとして比較的強い値動きに終始しました。NY市場ではFOMC議事要旨公表に向け、米10年債利回りの上昇に伴って全般ドル買いが先行、公表直前にはドル円は110.06円まで上値を伸ばしました。ただ、注目のFOMC議事要旨が公表となると一転ドル売りで反応、同時に米10年債利回りの上昇にも限りが見え、ダウ平均の大幅下落なども重しとなりました。その後もドル円は伸び悩み、109.75円まで下押しとなったところで取引を終えました。

-ジャクソンホール待ちも米指標には注視-
 本日のイベントは、豪失業率、ノルウェー中銀政策金利、米新規失業保険申請件数、米フィラデルフィア連銀景況指数、米景気先行指数が予定されています。
 注目は同時刻発表の米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数で、前者の市場予想は36.3万件、後者は+23.0と前月比から良好な数字が期待されています。共に8月分、より足元のデータという点ではテーパリング観測等の方向性を探る上で重要と考えられるだけに結果に注目となります。
 一方で、昨日のFOMC議事要旨では、テーパリング開始に向けた明確なヒントは見受けられませんでしたが、「大半のメンバーは年内のテーパリング開始が適切と判断」、「数人のメンバーは来年のテーパリング開始が適切と判断」といった大枠が示され、ある程度整理された印象を受けます。一方で、新型コロナウイルスデルタ株への懸念も示され、感染状況次第ではメンバーの見解も変わるとして慎重かつ不透明感も伝わる内容でした。そうなると、来週開催されるジャクソンホールの内容が待たれるところですが、一部ではFRBが9月3日の8月米雇用統計の内容を重要視、その内容を見定めてからとの見方もあり、来週以降の展開には特に注目したいです。

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