FXレポート

もしも金利上昇が肯定されたら

-前日サマリー-
 東京市場では米長期金利の上昇一服と日経平均株価の大幅上昇、前日の海外株式の好調さを受けたリスクオンの流れとなり、ドル円は108.89円近辺まで円安が進行しました。欧州市場では米長期金利が再び上昇しドル高が進行、発表された英国内総生産(GDP)は予想ほど悪くない結果となり円売りが進行しポンド円は152.23円、ユーロ円は130.34円まで円安が進行するも、ドル高の勢いは衰えずに欧州通貨は対円でも反落しました。NY市場では米長期金利上昇は加速し一時2020年2月ぶりの水準となる1.642%まで上昇、金利急上昇の警戒感からドル円は一時108.83円まで下落するも、最高値を更新するNYダウからリスクオンの金利上昇が肯定される形となりドル円は再び上昇、終値ベースでは9か月ぶりの109円台である109.05円で取引を終えました。

-もしも金利上昇が肯定されたら-
 本日より米国夏時間のスケジュールとなります。イベントは中国小売売上高、米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予定されています。先週の相場では米長期金利が1.521%から1.635%までの値幅で動き、米国債入札のタイミングでは珍しく為替市場でも転換点となりました。債券市場のボラティリティが高位で推移している環境下で、米長期金利が下落し始めた場面ではリスクオンムードが優勢となりユーロや新興国通貨が買われ、リスク選好度の上昇から株式が一段高となり、安全資産とみなされる債券から資金が流出することで金利上昇を招く、という資金循環が確認できました。
 このような循環の中で米長期金利の高い水準が当たり前になってきた時に考えられるのは、主要国の中でも日本の長期金利の低位推移でしている円を借りて、高金利通貨を買うキャリー取引が活発になってくることではないでしょうか。米長期金利が低く推移していたこの1年間は円を借りなくてもドルを借りて高金利通貨を買うことができましたが、アメリカの金利が上昇してくると低金利国として日本の存在感が増してきます。
商品先物取引委員会(CFTC)が発表する3/9時点の主要な先物のポジション状況は、円はネットで6514枚のロング(先週比-12756枚)となり、米長期金利が1.1%を超えたあたりから連続してロングポジションが減少しています。
今後日本の低金利が継続するのか、米長期金利の上昇が続くのかは、今週予定されている日銀政策決定会合と米FOMCの結果に左右されると考えられます。直近1年間で債券市場が動き出した今、中央銀行の回答に注目して取引に挑みたいです。

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