FXレポート

米超長期金利が19年ぶり高水準 ドル円の底堅さを支えるか

-前営業日サマリー-
 ドル円は159.30円でオープン。東京市場では、先週末に発表された米経済指標の弱い結果を受けて米利上げ期待が後退し、ドル売りが優勢となりました。日本の長期金利上昇も円買いを促し、ドル円の上値を抑える要因となっています。ロンドン市場では、東京時間からのドル売りを引き継いで軟調な推移が先行。ただ、一時159円を割り込んだところで売りの勢いが一服。その後は買い戻しが優勢となり、再び159円台を回復しました。NY市場では中東情勢を巡るリスクが意識され、原油価格が上昇。米金利もつれ高となったことでドル買いが進み、ドル円は159.46円で取引を終えています。

-米超長期金利が19年ぶり高水準 ドル円の底堅さを支えるか-
 本日のイベントは、英雇用統計が予定されています。
 米国の経済指標が総じて弱い結果となり、目先のインフレリスクが和らいだことでFRBの早期利上げ観測は後退。これを受けて中期債金利は低下している一方、超長期債の金利は19年ぶりの高水準となっています。30年物国債の利回りは一時5.3%まで上昇。金利上昇は債券価格の下落を意味していますが、その要因は何なのか、背景には日本の投資行動の変化が見えてきます。
 日本勢はこれまで超低金利の環境下で利回りを求めて海外資産に資金を振り向けてきましたが、日本の長期金利は足元の利上げ局面で一時2.9%と30年ぶりの高水準まで高騰。為替コストなどを加味すれば国内債の投資妙味が高まっています。これは資金の国内還流を促しています。日本は米国債の最大の保有国とされていますが、現環境では思惑が先行する形で米国債相場の重荷になっているのが現状です。
 また、米国の財政悪化も意識されています。財政赤字は7月までの累計で前年を上回り、イラン紛争の長期化で膨らむ軍事費や社会保障費が財政を圧迫。米国の信認が揺らいでいることも米国債の下落圧力となっています。
 日米協調での為替介入によってドル円は160円の節目を割れ、日銀の利上げ観測、FRBの利上げ観測後退と環境的にはダウンサイドを意識すべきところ、実際には底堅く、じりじりと上昇する展開を見せています。その背景には超長期債の存在があるのかもしれません。日本の金利が高まるほど米国の金利が抑えられる矛盾にドル円相場はどう反応するのか、中東リスクを反映したドル需要も残りますが、日米の思惑通りに円が増価する局面が訪れるかどうかは懐疑的です。

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