FXレポート

対イラン制裁強化へ 原油・米金利経由のドル高に警戒

-前営業日サマリー-
 ドル円は159.49円でオープン。東京市場では、日銀の9月利上げ観測を巡る報道を受けて円買いが先行。加えて、米国のインフレ指標を受けたドル売りも重なり、159円付近まで下落しました。ロンドン市場でも軟調な地合いを引き継ぎ。欧州株や米株先物は全般に小動きとなり、相場の流れを変える材料にはなりませんでした。NY市場では、米小売売上高が想定を下回る弱い結果となったことでドル売りが加速。一時158円台半ばまで下落しました。ただ、その後は原油高を背景に米金利が上昇するとドルが買い戻され、ドル円は159.31円で取引を終えています。

-対イラン制裁強化へ 原油・米金利経由のドル高に警戒-
 本日のイベントは、加消費者物価指数、米NY連銀製造業景気指数が予定されています。
 トランプ政権はイランとの軍事衝突を巡り、出口を見いだせない状況が続いています。軍事攻撃、経済圧力、外交交渉のいずれでも決着には至っておらず、ホルムズ海峡の封鎖状態が続いたまま秋の中間選挙を迎えるシナリオが現実味を帯びてきました。
 こうしたなか、ベッセント財務長官はニュースマックスのインタビューで、対イラン経済制裁を強化する方針を示唆。来週にも「前例のない措置」を発表すると予告しており、トランプ政権が軍事攻撃から経済圧力へと軸足を移しつつあることがうかがえます。ただ、イラン側も長期戦を辞さない姿勢をみせており、追加制裁によって早期に譲歩を引き出せるかは不透明です。
 市場では、イラン情勢そのものに加え、原油価格を通じた米金利とドルへの波及を意識しておきたいです。足元では原油高を背景とした米金利上昇がドル円の買い戻しにつながっており、中東情勢の緊迫化が続けば、地政学リスクによるリスク回避の円買いだけではなく、原油高・米金利上昇を経由したドル買いが強まる可能性にも注意が必要です。
 一方、米国民の多くはトランプ氏のイラン政策に否定的で、50%が中東の不安定な状況が1年間続くとの見方を示しています。秋の中間選挙が近づくにつれ、市場の関心が「イラン情勢」から「イラン情勢が米政権に与える影響」へ移る可能性があります。目先は来週発表される対イラン措置の内容と、それを受けたマーケットへのの反応をセットで確認していきたいです。

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