強い米雇用統計もドル円は上昇幅を失う!!
先週金曜日のドル円は序盤、NY市場で米雇用統計の発表が控えて様子見ムードが強く狭いレンジでの取引となりました。欧州市場では、独連邦銀行が13年の経済成長率の予想を引き下げたことを受けて、一時82.176円まで下落しました。その後、米雇用統計が発表され非農業部門雇用者数変化が14.6万人と予想の8.6万人を大幅に上回ったほか、失業率も7.7%と予想の7.9%から低下したことを受けて82.827円まで急騰。しかし引けにかけて、6日のECB理事会で「ドラギ総裁を初めとしてワイトマン独連銀総裁、アスムセンECB理事などが利下げを見送った」との報道が伝わると、ECBの利下げ期待が後退したことからドル円は上昇幅を縮小し前日比+0.089円の82.464円で取引を終えました。
東京市場のユーロ円は、仲値に向けて外貨不足から107.05円付近まで上昇したものの、その後は買いが続かず横ばい推移になりました。欧州市場では、独連邦銀行が来年の成長見通しを引き下げたことを受けて、ユーロ売りが強まり106.121円まで大幅に下落しました。NY市場では、強い米雇用統計を受けてリスク選好の円売りから106.871円まで回復し、その後も底堅く推移して前日比-0.248円の106.596円で取引を終えました。
≪2012年12月7日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
ユーロ・円 :「ベア」売り60% 買い40%
ユーロ・ドル :「ベア」売り61% 買い39%
英ポンド・円 :「ブル」売り61% 買い39%
豪ドル・円 :「ブル」売り40% 買い60%
NZドル・円 :「ブル」売り71% 買い29%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯 11月
15:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 11月
16:00 DEM 経常収支 10月
16:00 DEM 貿易収支 10月
16:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比] 10月
22:15 CAD 住宅着工件数 11月
- 今日のトレードポイント -
米雇用統計は非農業部門雇用者数変化が14.6万人と予想の8.6万人より強く、失業率も7.7%と改善したものの、ECBの利下げ期待の後退を受けてドルは上昇幅を失いました。今週は本邦では16日の衆院選が控えているほか、米国では財政の崖が注目されそうです。なお、衆院選で仮に自民党が議席を過半数獲得した場合は、日銀への金融緩和圧力が高まり円安に振れる可能性が高いかもしれません。一方、ドルも財政の崖に関して議会協議が難航した場合には、ドル安要因になると考えられることから、協議の動向に注視しておきたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 79.00-83.00 ユーロ・円 101.50-105.00 ポンド・円 127.00-130.50