FXレポート

ドル円90円台の壁

昨日のドル円は、先週末の米雇用統計後をきっかけにしたドル売りにも一服感が見られ、ドルの買い戻しが優勢となりつつあったものの、上値の重い展開が続いた。一時89.50円付近まで上昇したものの、ドルを買い進める材料にも乏しく、また、対ユーロでのドル売りが足かせとなったようで、上昇は限定的となった。その後のロンドン市場でも様子見相場が続き、89円台後半でのレンジ相場が続いた。ニューヨーク市場の時間帯には、米9月ISM非製造業指数が予想よりも強い内容となったことで、一時株高・リスク選好によるドル売り・ユーロ及び高金利通貨買いが優勢に。ドル円は89.402円まで下落し、89.530円で取引を終えた。

一方、ユーロ円は対ドルでのユーロ買いも支えとなったことで、一時131.657円まで上昇した。しかし、ユーロ高を背景に各社決算の悪化懸念が浮上すると、ユーロ売り・円の買い戻しの流れとなり130.86円付近まで下落した。その後はNYダウが底堅く推移したことで、再びリスク許容が強まり、131円台まで戻し、131.150で取引を終えた。

さて、本日の為替相場であるが、先週末に9月米雇用統計や7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を終えたものの、ドル円は90円台を回復することができなかったことも含め、新規材料の乏しい中、再び狭いレンジでの動きとなりそうだ。また、昨日のように株高を背景としたリスク選好の流れが引き続き見られる展開となれば、相対的にドル売り圧力が強まり、ドル円の上値は依然として重い展開となりそうだ。目下、90円の壁が高く立ちはだかる状況となろう。

一方、本日注目したいのは豪ドル円であろう。昨日はクロス円の中でも1円近い上昇で取引を終えている。株高を背景としたリスク選好による豪ドル買いのほか、先週末のG7では従来の立場を踏襲するにとどまりっており、政策当局者がドルの緩やかな下落を容認しているとの見方が強まっていることが背景のようだ。更に、本日発表予定の豪州準備銀行(RBA)による政策金利引き上げについての期待感が醸成されている模様。順調に豪ドルが買われる展開となれば、9/23ぶりに80円台を試す展開となろうか。

反面、対ドルでの豪ドル・高金利通貨買いが益々強まる状況となれば、対円でのドル売りが連れる状況も十分に考えられるため、外部的な要因が主となるものの、併せてドル円90円台の攻防にも着目したい。


[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   88.50-90.00
 ユーロ・円 129.60-133.80
 ポンド・円 139.70-143.00

【本日の主な経済指標】

09:30(豪) 貿易収支
12:30(豪) 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
15:45(仏) 財政収支
16:15(ス) 消費者物価指数(CPI)[前月比]
17:30(英) 鉱工業生産指数[前月比]
17:30(英) 製造業生産指数[前月比]
21:30(加) 住宅建設許可件数[前月比]
23:00(加) Ivey購買部協会指数

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年10月5日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
90円台を回復できず、値ごろ感が続いていることから、参加者は「ブル」を選択。
しかし、先週末のG7を受け、政策当局者がドルの緩やかな下落を容認しているとの見方も強まって
おり、ドル買いに傾斜し辛い状況には変化無しか。ドルの動向だけではなく、対ドルでの高金利
通貨の動きにも注視したい。

ユーロ・円は「ブル」
昨日も上昇基調で終わっており、ユーロを買いやすい状況が続いている模様。
本日も株価・リスク選好の流れが続けば、一段のユーロ買いが見られる可能性が高そうだ。

豪ドル・円は「ブル」
昨日は1円近くの上昇を見せ取引を終えた豪ドル。市場では早期政策金利引き上げの期待感も高まり
つつあり、益々上昇の気配を見せている。但し、政策金利の結果と政府要人による金利動向について
の発言が肩透かしに終われば、高値警戒感も浮上する可能性がある。本日は慎重な判断が求め
られそうだ。

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