FXレポート

週末は往来の展開!90円台回復か?

先週の相場は、米国の主要指標、特に雇用統計の不調やNY株式市場の軟調、原油安などを受けた典型的なリスク回避の円買パターンとなった。

先週末のドル円は、東京時間、ロンドン時間とも、注目される米雇用統計の発表を控え上値重く、じり安の展開に。9月米雇用統計は、非非農業部門雇用者数(NFP)は-26.3万人で、市場予想の-17.5万人より弱い結果となった。また、同失業率は9.8%となり、前回の9.7%より悪化したものの、市場予想9.8%とほぼ同じであった。厳しい雇用情勢を改めて露呈する形となったことを受け、市場は瞬間的にドル売りで反応、一時88.601円まで急落した。しかし、米ADP雇用報告などを受けて悪い数字を織り込んでいたこともあってか、急激な円高警戒感の再燃もあり、また、週末に先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)も控えていることから、素早い利益確定の動きを見せ、揉み合いながらも今度はドル買い圧力が高まり、高値89.924円まで一気に上昇、往って来いの様相を呈し、結局引けは89.765円と前日比とあまり変わらない水準となり、方向感が定まらないまま週末の取引を終えた。

ユーロ円、ポンド円は、ECB利上げ思惑やドル金利低下を材料視する向きもあったが、ドル円に牽引される形で値動きし、高値・安値のタイミングもほぼ同じであった。ユーロ円は、高値131.258円、安値129.035円、終値130.884円、ポンド円は、高値143.207円、安値140.793円、終値143.120円となるなど、上下に動意の激しい展開となった。

ドル円は雇用統計後に急落し、先月28日につけた88.222円に向かう展開も予想されたが、結局89円後半まで持ち直した。近々90円台回復の可能性も否定できない展開だが、未だ景気の2番底懸念は払拭されておらず、米雇用情勢の回復長期化の雰囲気が市場に乗り移れば、さらなる円高ドル安トレンドへの向きが強まる可能性が高まってくるだろう。テクニカル的に見ても87円台までの下落は想定の範囲内と認識したいところだ。




[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   88.500- 90.500
 ユーロ・円 129.600-133.600
 ポンド・円 141.400-145.900



【今週の主な経済指標】

10/5(月)
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
18:00 EUR 小売売上高[前年同月比]
18:00 EUR 小売売上高[前月比]
23:00 USD ISM非製造業景況指数(総合)

10/6(火)
09:30 AUD 貿易収支
12:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
16:15 CHF 消費者物価指数(CPI)[前月比]
17:30 GBP 製造業生産指数[前月比]
17:30 GBP 鉱工業生産指数[前月比]
21:30 CAD 住宅建設許可件数[前月比]
23:00 CAD Ivey購買部協会指数

10/7(水)
08:50 JPY 外貨準備高
09:30 AUD 住宅ローン件数[前月比]
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値
14:45 CHF 失業率
18:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、確定値)[前年同期比]
18:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、確定値)[前期比]

10/8(木)
04:00 USD 消費者信用残高
08:50 JPY 経常収支
08:50 JPY 貿易収支
09:30 AUD 失業率
09:30 AUD 新規雇用者数
19:00 DEM 鉱工業生産
20:00 GBP 【政策金利】イングランド銀行
20:45 EUR 【政策金利】欧州中央銀行
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
23:00 USD 卸売在庫

10月9日(金)
08:50 JPY 機械受注
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI)
15:00 DEM 貿易収支
15:00 DEM 経常収支
17:30 GBP 商品貿易収支
17:30 GBP 生産者仕入・出荷価格
20:00 CAD 失業率
21:30 USD 貿易収支



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年10月2日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「スクウェア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の総意は、「強いドル」、「自国通貨安」だろう。
具体的にどのような政策となるか、実際に協調できるのか、市場が支持するか不透明ではある。

ユーロ・円は「ブル」
割安感から参加者はユーロ買いを選択。やはり強い円高感は否めずロングポジションが膨らん
できている。上下の変動が激しい展開が見られるため、慎重な判断が求められる。

ポンド・円は「ブル」
英9月ネーションワイド住宅価格は前月比+0.9%となり、市場予想の+0.7%より強い結果となっ
た。一方、英9月建設業PMI は予想 48.1(前月 47.7)で結果は46.7となり、弱い結果となる
など一長一短だったが、市場の反応は限定的となった。現状の打開には、強い好材料が必要だ。

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