FXレポート

米雇用統計・G7会議を控え読みづらい展開

昨日のドル円は、序盤90円ちょうど付近でもみ合いを続けていたが、株価が下落し始めるとリスク回避のドル買いから、高値90.165円をつけた。その後は、より狭いレンジ内取引でじりじりと値を落とす展開となった。中古住宅販売成約指数が前月比+6.4%と上伸、建設支出も前月比+0.8%と4ヶ月ぶりのプラスとなっが、米新規失業保険申請件数、ISM製造業景気指数ともに市場予想より悪化したことが嫌気され、ドル円は89.403円まで下落。その後やや値を戻し、結局引けは89.702円となった。

ユーロ円は、アルムニア欧州委員が「ユーログループは週末に開催される先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)へ向けた準備のためユーロ高について協議する」などとの発言報道を受けて売り反応、更に独8月小売売上高指数が市場予想を下回ったこともあり、徐々に値を落とした。ユーロ圏8月失業率の悪化が発表されると下げ幅は更に拡大、トリシェECB総裁の真新しさのない発言を受けた売りも継続的に見られ、安値130.119円をつけ、引けは130.431円と冴えない結果となった。

ポンド円は、序盤は方向感のないレンジで展開した。英製造業PMIは市場予想に反し前回値を下回るなど、2ヶ月連続の低下と弱さを見せたが発表後の市場はほとんど反をは示さなかった。しかし、実需の買い観測とともに値を上げ始め、高値144.226円をつけたが、その後は値幅狭くじり安で、安値142.836円をつけ、そのまま143.054円にて取引を終えた。

本日の相場だが、昨日に引き続き、G7に向けた要人発言や円の高値警戒などが相場を左右している節があることやバーナンキFRB議長が議会証言で「ドルの基軸通貨としての地位に急迫するリスクは無い」としながらも、「金融規制の欠落はドルリスクの要因となる」と言及したことから為替市場は依然として読みづらい状況だが、21:30からの米雇用統計(非農業部門雇用者数)の結果によっては大きく動く可能性があるので注視したい。ただドル円は91円抵抗まで戻り売りがたまっていると見られ、依然ドル売り圧力があるとの見方が濃厚だ。各国とも、自国通貨安という景気刺激策を意識しておりドル安を静観するほどの余裕はないだろう。


[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   88.000- 90.500
 ユーロ・円 129.200-133.200
 ポンド・円 141.400-145.900

【本日の主な経済指標】

15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
17:30 GBP 建設業PMI
21:30 USD 失業率
21:30 USD 雇用統計:非農業部門雇用者数
23:00 USD 製造業受注指数

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年10月1日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「スクウェア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル・円は「ブル」
円買い圧力の更なる高まりと、ドル売り圧力を残した局面となっている。短期的には、本日の雇用統計
(非農業部門雇用者数)で市場がどう反応するかベクトルが気になるところだ。中長期的には、バーナ
ンキFRB議長の「今後6ヶ月から1年の失業率が異常な高さとなる見込み」「2010年は経済成長が年3%の
ペースでも失業率は9%台となるだろう」との発言から、米景気を楽観視するには時期尚早と言えそうだ。

ユーロ・円は「ブル」
昨日、右肩下がりの展開を見せたユーロだが、先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)へ向けた準
備のためユーロ高について協議するとの発言もあり、自国通貨安についてどのような政策をとるのかは、
本日の値動きや来週の相場を占う上で注視したい。会議前に為替介入に言及するかどうかも引き続き警
戒する必要がある。

ポンド・円は「ブル」
ポンドは2日続落。昨日の製造業PMI発表にも同意薄で、足の重い様相を呈している。本日発表予定の、
ネーションワイド住宅価格・建設業PMIが現状を打開するのか動向を見守りたい。

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