FXレポート

週末の米雇用統計に向け様子見ムード漂う

昨日のドル円は、序盤は利益確定売りが強まり、高値90.410円まで上伸したが、その後は月末・期末に伴う本邦輸出企業のリパトリエーションの広がりから、じりじりと値を下げた。藤井財務相の「G7(G7財務相・中央銀行総裁会議は10月2日、3日にトルコ:イスタンブールにて予定)では日本経済を内需主導に変えた上で国際協調をする」、「最近の円高をとりあげる予定はない」との発言が伝わると、為替介入の警戒感後退と市場は評価、円買い圧力が強まり更に下落し、安値89.352円をつけた。その後発表された米ADP雇用統計では、前回より改善したものの市場予想ほどの減少幅とならなかったため、円買いが入り瞬間的に下落したが反応は軽微。その直後に発表された米GDP確報値が上方修正、米利回りが一段と上昇した結果、ドルを押し上げるなどレンジで上下を繰り返し、結局89.717円で取引を終えた。

豪ドル円は、8月豪小売売上高が前月比0.9%と、市場予想の0.5%の約2倍となったことが好感され、統計発表後から堅調に推移、序盤の78.400円が安値となり、その後は高値79.379円まで緩やかに上昇、引けも高水準の79.200円となった。3ヶ月ぶりの小売売上高の増加は、消費回復を背景に、豪州の年内利上げ期待を再燃させているようだ。

本日の相場だが、ドル円は、引き続き下値87円付近の年初来安値更新のタイミングが意識されている。商品相場とこれに伴うクロス円での円買いが、ドル円に与える圧力についても考慮に入れておきたい局面から、オセアニア通貨にも注視したい。

昨今の動向としては要人発言に影響される場面が少なくない。特に、右往左往する藤井財務相発言には今後も注意が必要だが、ドル安牽制の言及は見当たらず、やなり基本的には円高を黙認と取れる向きが濃厚だ。

また、雇用環境は徐々に改善を見せているものの、底は来年にあると考える向きもあり、未だ楽観視できない。また来週は、政策金利発表が相次ぐ予定のため、様子見ムード継続も否定できない。短期的円高は一服したものの、ドル安地合いが継続していることからも更なる円高観測の拡大にも留意したい。



[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   88.50- 90.50
 ユーロ・円 130.400-134.400
 ポンド・円 140.700-146.100



【本日の主な経済指標】

08:50 JPY 日銀短観[大企業製造業業況判断]
15:00 DEM 小売売上高指数
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:30 GBP 製造業PMI
18:00 EUR 失業率
21:30 USD 週間新規失業保険申請件数
22:00 USD バーナンキ:FRB議長の議会証言
23:00 USD ISM製造業景況指数
23:00 USD 中古住宅販売保留



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月30日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。



ドル・円は「ブル」
週初からの円高がやや一服した感が出てきているが、ドル安地合い脱却にはいたっていない。
相場を牽引する米景気は、改善を示しているものの、そのペースは鈍化している感も否めない。
コーンFRB副議長が「低金利は長期間にわたり正当化される見込み」等と述べていることからも、
金融政策の解除へ向けた枠組みを策定したとはいえ、米国低金利はしばらく継続の見通しだ。

ユーロ・円は「ブル」
パパデモスECB副総裁は「金融政策の焦点が物価安定である」、「金融政策はマーケットの行き
過ぎた動きに前もって対抗する役割がある」等と述べ、ウェーバー独連銀総裁も「物価安定」
に強意を置いていることから、「物価安定」に向けた政策に注力することが期待される。
本日はユーロ圏失業率の発表、来週はECBが8日に金利発表を予定していることも併せて注視したい。

ポンド・円は「ブル」
今週は低水準で推移しているポンドだが、ここにきて下落に歯止めがかかりつつあるようだ。
乱高下しやすいポンドだけに、方向性を見極めることが重要だ。本日発表予定の、英製造業PMI
の動向を見守りたい。



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