欧州首脳会議の動向と米経済指標に注目!!
昨日のドル円は序盤、本邦輸出勢のドル売りが散発的に入り79.35円付近まで緩やかに軟化しました。欧州勢参入直後には79.225円まで下押したものの、欧州首脳会議を控えてポジション調整の域をでず、79.40円付近まで値を戻しました。NY市場では、米新規失業保険申請件数が38.6万件と市場予想の38.5万件から悪化したことから、欧米株式や金や原油といった商品相場が大幅安となり市場ではリスク回避の動きが強まりました。ただドル円はリスク回避からドルと円が同時に買われたことで79.40円前後での小動きとなり79.446円(前日比:-0.32)で取引を終えました。
ユーロ円は序盤、欧州首脳会議の動向を見極めたいとして積極的な売買が控えられたことから、99.40円付近での方向感に欠く展開になりました。欧州市場では、欧州首脳会議で債務問題の解決に向けて低調に終わるとの見方から、ユーロ売りが強まり一時98.332円まで軟化しました。NY市場では、弱い米経済指標を背景に欧米株式が大幅下落するなど、リスク回避の動きが強まったものの、欧州首脳会議の行方を見極めたいとして積極的な動意は見られず前日比-0.614円となる98.844円で取引を終えました。
≪2012年6月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り16% 買い84%
ユーロ・円 :「ブル」売り30% 買い70%
ユーロ・ドル :「ブル」売り37% 買い63%
英ポンド・円 :「ブル」売り23% 買い77%
豪ドル・円 :「ブル」売り12% 買い88%
NZドル・円 :「ブル」売り25% 買い75%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 新設住宅着工戸数[前年同月比] 5月
14:30 FRF 国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
15:00 ZAR マネーサプライM3[前年同月比] 5月
15:00 DEM 小売売上高指数[前月比] 5月
15:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比] 5月
15:45 FRF 消費支出[前月比] 5月
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)[前月比] 5月
16:00 CHF KOF景気先行指数 6月
17:00 EUR マネーサプライM3[前年同月比] 5月
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)[前年同月比] 6月
21:00 ZAR 貿易収支 5月
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前月比] 4月
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比] 5月
21:30 CAD 原料価格指数[前月比] 5月
21:30 USD 個人所得[前月比] 5月
21:30 USD 個人消費支出(PCE)[前月比] 5月
21:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前月比] 5月
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数 6月
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値 6月
- 今日のトレードポイント -
本日終了予定の欧州首脳会議と米経済指標が中心になりそうです。欧州首脳会議は閉会後に最終的な合意内容が示されると見られているものの、今回の会議での債務問題の解決に向けた取り組みについては期待感が剥落しているだけに進展が見られなければ、ユーロ円は年初来安値に向けて下げ足が速まるかもしれません。一方、ドル円は来週に米雇用統計を控えるなか、複数の米経済指標の発表が予定されております。前日の新規失業保険申請件数は市場予想から悪化したことで米経済の景気回復ペースが鈍化するとの懸念が意識されており、市場でのQE3への期待感が高まりを背景に、ドル売りが強まる可能性も低くないと見られます。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.50-81.00 ユーロ・円 96.50-101.00 ポンド・円 121.00-125.00