FXレポート

欧米の景気減速懸念を背景にリスク回避のドル買い優勢!!

昨日のドル円は序盤、新規取引材料の不足から方向感に乏しい展開だったものの、日経平均が100円超高まで上げ幅を拡大したことをきっかけに、ドル円は79.65円付近まで連れて上昇しました。欧州市場では、前日に報道された著名米シンクタンクレポートのなかで来月の日銀会合で追加金融緩和を決定する可能性があるとした内容が材料視されドル円は買いで反応。NY市場でも、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が-16.6と市場予想の0.0から大幅に悪化したことにくわえ、NYダウや金や原油といったコモディティ関連も大幅下落となったことでリスク回避のドル買いから前日比+0.739円となる80.274円まで上昇し取引を終えました。
 
ユーロ円は序盤、前日の上昇の反動から利益確定の売りが先行し100.60円付近まで下落したものの、一方的な展開にならず下げ渋ると100.90円付近まで緩やかに反発しました。欧州市場では、ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回ったほか、スペインの長期国債利回りが低下したことで、一時101.620円まで強含む展開になりました。しかしNY市場に入ると、弱い米経済指標の発表がされたなか、一部報道機関で格付け会社ムーディーズが欧米金融機関の格付けを引き下げる予定との発表をしたことを受けて、リスク回避のユーロ売りが強まり前日比-0.334円となる100.694円まで下落して取引を終えました。
 
≪2012年6月21日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り28% 買い72%
ユーロ・円  :「ブル」売り44% 買い56%
ユーロ・ドル :「ブル」売り38% 買い62%
英ポンド・円 :「ブル」売り34%  買い66%
豪ドル・円  :「ブル」売り18%  買い82%
NZドル・円  :「ブル」売り40% 買い60%
 
【今日の主な経済指標】
17:00 DEM  IFO企業景況感指数 6月 
21:30 CAD  消費者物価指数(CPI)[前月比] 5月 
21:30 CAD  消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 5月 
21:30 CAD  消費者物価指数(CPIコア)[前月比] 5月 
21:30 CAD  消費者物価指数(CPIコア)[前年同月比] 5月
 
             - 今日のトレードポイント -
 
FOMC声明での量的緩和実施の見送りが尾を引いており、引き続きドル買いが継続しています。また、欧米の経済市況の悪化を背景に格付け会社ムーディーズは22日早朝に15の金融機関の格付けを引き下げたことから、NYダウが大幅に下落するなど、リスク回避によるドル買いも観測されており、トレンドの転換点になるか慎重に見極めたいです。一方、ユーロはギリシャで連立政権が発足したことから、EUとIMFが求める緊縮財政に向けて一歩前進したことでリスク回避志向が改善しています。しかし、しっかりとした返済が可能かどうか不透明感が残っており、強き一辺倒にはいかないと考えれます。
 
[今日の予想レンジ]
ドル・円   79.00-81.50  ユーロ・円 99.50-102.00  ポンド・円 124.00-127.50

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