FXレポート

ドル円は3日続伸1円高回避できるか!?

ドル円は、上海総合指数や欧米株安などリスク回避の動きをきっかけに、基軸通貨のドルの見直し買いが台頭。さらに、このところ対ドルで大きく上値を伸ばしてきたユーロや資源国通貨の手じまい売りにつられたことから、ドルは堅調に上昇した。また、8月の米景気先行指標総合指数は0.6%と事前予想(0.7%)には届かなかったものの、今回で5ヶ月連続のプラス(04年以降では初めて)を記録したことで、米景気の底打ち感を改めて確認させる内容となった。この結果、ドル円は約1週間半ぶりの水準まで戻し、一時92.574円まで上昇、92.001円で引けた。

ユーロ円も堅調。ドル円の円売りに連れ、135.461円まで買われる展開に。その後は利益確定受けて売りが出たものの、欧州の強いファンダメンタルズを背景に終始堅調な値動きとなり、135.039円で取引を終えた。一方、ポンド円は依然として上値が重い展開に。BOE(英中銀)の季報における「ポンドの長期的で持続可能な実質レートは低下していくだろう」とのコメントが引き続きポンドの重しとなり、一時148.070円まで下落した。その後、英銀RBSが最大で50億英ポンドの増資を検討しているとのニュースが伝わり、住宅価格指数上昇と共に持ち直したものの上げ幅は限定的となり149.159円で引けた。


さて本日のドル円は、明日のFOMCを筆頭に週末にかけて重要指標が目白押しとなっており、加えて24・25日には米国で金融サミット(G20)が開催予定となっているため、積極的なポジションは取り辛い展開となろうか。前回の7月のG20ではロシアが新準備通貨構想を話題にしたことで、ドル円が会期中に急落している経緯があり、今回も同話題に対しては警戒をしておきたい。また、FOMCでは景気判断が上方修正され、世界経済は持ち直し継続との見方が示される可能性が高そうだ。景気判断の上方修正に対しては「ドル売り」で反応する可能性が高いため、円高リスクは引き続き念頭にいれておく必要があるだろう。

ユーロ円は、日本の大型連休や、FOMC、G20金融サミットなど各種イベントを控えてポジションを大きく傾けづらいことから、上昇トレンドも小休止となるかもしれない。株安・円高の流れが一服となったことから、135円台での小康状態となりそうだが、調整で下値を狙う可能性も否定できず注視したい。

一方、ポンド円は上値が重い状況が続いていることから、下値を模索する展開も十分に考えられる。手がかりとしては今月のMPCの内容となろうか。また、先週キング英中銀総裁により示唆された「追加の金融緩和政策の検討」であるが、英経済の回復が遅れているとの市場の評価が下されれば、ポンド円は大幅に下落する可能性も否定できない。下値を拡大する動きが続けば、ユーロやスイスフランへ資金が退避する流れが強まる可能性も十分に考えられるため、ポンド円のポジションメイクには細心の注意を払っていきたい。

 
[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   91.20-92.50
 ユーロ・円 134.60-136.00
 ポンド・円 147.80-151.00

【本日の主な経済指標】

14:45(ス)  スイスSECO消費者信頼感指数
15:15(ス)  貿易収支
18:30(南ア)南アフリカ 消費者物価指数
21:30(加)  小売売上高
23:00(米)  住宅価格指数
23:00(米)  リッチモンド連銀製造業指数


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月21日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ベア」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
ドル円は介入不要論を唱えていた藤井財務相も、「為替相場は経済実勢に合わせて決定されるのが
自然な姿である」とトーンダウンしたことで円を買いづらくなり、参加者もドル買いが圧倒した。
ただし、大台の90円台割れでも政府・日銀による為替介入が期待できない状況には変わりなく、
今週一杯は投機筋の「円買い仕掛け」に対する警戒は怠れないだろう。

ユーロ・円は「ベア」
ユーロ円は、6営業日続伸で利益確定の売りや、FOMC前でのポジション調整からショートが優勢となった。
本日は欧州では主要な経済指標やイベントがないことから、明日のFOMCでの政策発表を控えた様子見相場
となる可能性が高そうだ。政策発表前は中立スタンスで様子をみるのもいいだろう。

ポンド・円は「ブル」
ポンド円は6営業日続落しており押し目買いやショートカバーを中心に「ブル」が優勢となった。
しかし、ユーロポンドがパリティ(1ユーロ=1ポンド)を試すのではないかという見方が出ていて
先週からユーロ買い・ポンド売りの動きが加速し始めている。加えて、英追加緩和の可能性等、ポンド売り
の背景も整っているとも考えられる。取り敢えずは明日の英中銀議事録に注目したいところだが、ロングの
ポジションは細心の注意を払う必要があるだろう。

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